九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

院内独自の診療科を設置 広い視野の医師を育成

院内独自の診療科を設置 広い視野の医師を育成


病院長(ふるや・けん)

1985年北海道大学医学部卒業。
札幌市北保健所、国家公務員共済組合連合会幌南病院(現:KKR札幌医療センター)、
地域医療機能推進機構北海道病院副院長などを経て、2016年から現職。

 札幌市中心部から5キロほどの閑静な住宅地に位置する地域医療機能推進機構(JCHO)北海道病院。急性期を中心に、地域医療支援病院として近隣の医療機関との連携を図っている。地域医療における取り組み、今後の展望について古家乾病院長に話を聞いた。

―病院の特色は。

 札幌市豊平区を中心とした住民のための地域医療に取り組む急性期病院です。豊平区には総合病院が少なく、当院が果たすべき役割は大きい。消化器、呼吸器、腎・膠原病、周産期の四つのセンターをはじめ、それぞれの診療科で専門性の高い医療の提供に努めています。2020年の4月には循環器センターを再開し、柱の一つにしていく予定です。

 2018年4月、地域連携相談室を「総合支援センター」に改称しました。患者さんの入り口として、治療や入退院の際の生活上の問題や心配ごとに、看護師、ソーシャルワーカーなどが中心となって対応に当たっています。

 また、健康管理センターのほか、急性期病院としては珍しく介護老人保健施設を併設しています。健康管理センターでは健診による疾病の早期発見と予防、介護老人保健施設では在宅復帰を目指した介護と福祉を実践しています。

 札幌市は、全国的に見て病床数が多いと言われています。そのため、地域の病院が急性期、亜急性期、回復期などの機能分化を進め、病診連携、病病連携、さらには施設との連携を図っています。お互いの強みを発揮して、地域で補い合う関係を築いていけたらと思います。

―医師の教育にも力を入れていらっしゃいます。

 これまで、医師は専門領域を極めれば十分でした。しかし、それだけでは高齢者のように複数の疾患を持っている患者さんに対応することができない時代になっています。

 副院長だった頃から、総合医的な知識と専門性のバランスが取れた医師を育てるためのシステムをつくりたいと考えていました。そこで生まれたのが、院内独自の呼称である、「総合診療救急科」です。

 内科系と外科系に分かれており、指導医と研修医がペアとなって診療に当たっています。何が悪いかわからなくて運ばれてきた患者さんに対し、複数の病気がないかを探りながら、的を絞らずに患者さんを診ていきます。

 総合診療科の名前は付いていても、一般的な総合診療科とは違います。新しい専門医制度がスタートした際にもなかなか理解してもらえず、応募者も少なかった。しかし、初期研修医から「面白い」と声が上がるようになり、浸透してきたと感じています。

 最初は、何かと大変でしたが、今では指導する側も、専門分野だけではない広い視野を持ちながら、楽しく教えているようです。若手の医師にとっては、総合的な診断方法から入院、治療の流れまでが分かるようになり、良い訓練の場になっています。

―今後について。

 患者さんに「この病院で良かった、次もこの病院で診てもらいたい」と思っていただくためには、質の高い医療の提供、そしてスタッフが患者さん目線で対応できているかが重要です。

 患者さんにとって気持ちの良い対応とは何か。そのためには、まず自分たちの働く環境が良くなければと考えています。

 急性期病院では、どうしても医師の勤務時間が増えがちです。医師の負担を減らすためにはタスクシェア、タスクシフトを推進し、お互いが職種の範囲を超えてできることを広げて、業務の移管・移譲が柔軟にできる体制をつくっていきたいと思います。

 忙しい職場では、患者さんに接する心の余裕もなくなります。どのように改善するべきか、手腕が試されると感じています。

独立行政法人地域医療機能推進機構 北海道病院
札幌市豊平区中の島1条8―3―18
☎011―831―5151(代表)
https://hokkaido.jcho.go.jp/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram did not return a 200.

コメントはこちらから

メニューを閉じる