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院内感染の教訓胸に職員全員で一致団結

院内感染の教訓胸に職員全員で一致団結


病院長(わたなべ・まさひこ)

1987年慶應義塾大学医学部卒業。
米コネチカット大学留学、東海大学医学部付属病院副院長などを経て、
2019年から現職。同大学医学部外科学系整形外科学主任教授兼任。

 東海大学医学部付属病院は、新型コロナウイルス感染症の流行初期段階から対応を始め、2021年2月上旬までに累計約120人の中等・重症患者を受け入れてきた。陣頭指揮を執る渡辺雅彦・病院長に、これまでの取り組みや展望を語ってもらった。

―これまでの対応は。

 2020年2月に横浜港に入港したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で集団感染が判明した際、DMATを派遣するのと同時に、患者さんを数人受け入れました。その後、国内の感染者数が増加し始めた3月下旬、大磯、八王子、東京(渋谷区)の各付属病院と共に合同対策本部を設置。それぞれの病院にも調整本部を設け、状況に応じて対策を協議してきました。現在も月1回、私や各病院の調整本部長、看護部長ら約70人が参加する会議を開き、付属病院全体で情報共有に努めています。

 当院では、重症と中等症の患者さんの受け入れを担当しています。4月上旬には救命救急病棟の中のHCU(高度治療室)を重症者専用病棟にしました。

 さらなる患者数の増加に備えて、中等症専用の病棟も用意しました。当時はそれほど患者数が増えず、5月中旬にはほぼ通常の診療体制に戻しましたが、12月ごろから状況が悪化して搬送される患者さんが急増し、重症度の段階も上がっていきました。

 21年1月中旬からは再び専門病棟を設置して対応に当たっています。現在は、できる限り早く通常の診療に戻したいと考えており、院内で協議しています。

―院内の感染対策は。

 病院入り口での検温や面会制限などの基本的な対策を徹底しつつ、20年10月から入院予定の患者さん全員にPCR検査を行っています。緊急入院の場合は、簡易型の検査を実施。簡易型は通常のものより精度が低く、緊急入院で年末に受け入れた患者さんは検査をしても陽性反応が出ませんでしたが、実際には陽性で、同部屋の4人と看護師6人が感染しました。

 この時、対策の難しさを痛感しました。幸い、それ以上の拡大はなく、新たな感染は確認されていません。 病院の規模が大きく、細かな対応を取りたくても実行に移すまでに数週間かかってしまうこともあり、先を見据えてかじ取りすることの重要性を実感しています。職員全員が高い意識を持って知恵を絞ることで、リスクをゼロにすることはできなくても、ゼロに近付けたい。今後も可能な限りの対策を講じます。

―地域の医療機関や県とはどのように連携しているか。

 同じ神奈川県内にある付属大磯病院とは、患者さんへの対応でスムーズな連携ができています。例えば、当院で回復した重症の患者さんは大磯病院へ、大磯で重症化した場合は当院に転院させるようにしています。県西部の各医療機関とは以前からネットワークがあり、コロナ対応でも良い協力体制を築けています。

 県とはダイヤモンド・プリンセスの対応時から常に情報共有しています。連携は十分にできていると思いますが、その一方で大学病院として貢献できることはもっとあるのではないかと感じてきました。

 そこで21年1月、県内にある横浜市立大学など四つの大学の付属病院と合同で、医療再編成による病床確保や県民への情報発信などを知事に提言しました。今後は教育研究機関の立場から、これまで以上に県との関係を強化していきたいですね。

 当院の強みは、職員が一致団結して同じ方向に進んでいることです。コロナ禍でも皆が協力し合い、さまざまな面で迅速に対応してきました。今後、コロナの影響がどこまで続くのかは分かりませんが、これからも職員が一体感を持って前向きに仕事ができる環境をつくり、患者さんに安全で安心な医療を提供し続けたいと考えています。

東海大学医学部付属病院
神奈川県伊勢原市下糟屋143
☎0463―93―1121(代表)
https://www.fuzoku-hosp.tokai.ac.jp/

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