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院内外でスクラム 地域医療を下支え

院内外でスクラム 地域医療を下支え


院長(こにし・ひろあき)

1981年長崎大学医学部卒業。
北九州市立八幡病院、慶應義塾大学フェロー、長崎労災病院整形外科部長、
長崎大学臨床教授などを経て、2020年11月から現職。

 脊椎疾患、脳梗塞、乳腺腫瘍などの特定領域を得意とする長崎労災病院。強みをとことん伸ばし、弱みは他の医療機関と補完して地域医療を支える。院内外の「チーム構築」を軸とした戦略に迫る。

他院と連携 弱点をカバー

 「当院はがん治療と就労の両立支援に力を入れており、院内の脊椎・腰痛センターでも多くの症例数を挙げるなど働く人の早期社会復帰を目指して特徴的な病院づくりを進めています。今後は新しい機器や術式の導入などを通じ、九州一円のリーダーシップを取れるよう専門性を高めたいです」

 労災病院として、自らの専門領域でもある脊椎疾患に注力。現在は入院待ちの患者が多数いるという。このほか脳梗塞、乳腺腫瘍などに特化して症例数を重ね「全てを伸ばすことは難しいので、伸ばせる部分を伸ばしていく」と見通す。

 並行して「弱点」の克服も着々と進んでいる。2020年度から眼科と耳鼻咽喉科の常勤医が各1人加わり、21年1月からは病理医も加わる予定だ。

 それでも補い切れない領域に関しては、他の医療機関と協力関係を築いてカバーする。例えば現在は、糖尿病の専門医が不在のため重度の糖尿病患者については、佐世保市総合医療センターと佐世保中央病院に周術期の管理を依頼している。自前での確保を喫緊の課題としつつも、「佐世保は医療機関同士の関係が良好で、互いに補完しながら地域として一つの医療体系を形成できています」

院内外で「チーム」の力

 このように、一円の医療人を一つの「チーム」と捉えながら地域医療の一翼を担っていく。考えの根幹をなす要素の一つは、長崎大学医学部時代に6年間打ち込んだラグビーだ。高校までは陸上競技で走り幅跳びの選手だったが、大学では「割と足腰には自信があって、簡単には倒れない」と体格を生かせる団体競技に転じた。

 「ラグビーでは今まで絶対に勝てそうにないチームに勝てたり、完全に負けていた相手と好勝負になったりという成長を経験しました。実力がついていることが肌でわかるのです。自分一人では成長に限界がありますが、チームだと限界を感じません。この考えは医療にも通じる部分だと思います」

 チームを重んじるのは院内に対しても同じ。「医師だけでなく看護師や理学療法士も含めたみんなが一体となって、最終的には手をたたいて1人の患者さんを送り出せる。これはまさに医療の喜びです」と力を込める。特に脊椎疾患に関しては独力の限界が身に染みており、「1人だと心が折れてしまいますが、グループや仲間で診療すると心の負担がある程度は分散できます」。志を同じくする専門医が協力し合うだけでなく、執刀をサポートする各種機器も積極的に導入しているという。

やりがい感じ脊椎の道へ

 父親が公務員として身体障害者の施設の管理者を務めており、幼少期から「彼らに対して何かサポートができれば」との思いを抱いていた。大学時代のラグビーで骨折や靱帯損傷を経験し、整形外科はなじみ深い診療科となった。

 さらに長崎大学病院で頸椎の手術を経て症状が劇的に改善された患者らを目の当たりにし、「寝たきりの人が歩いて帰れるようになる。非常にやりがいのある仕事だとわかった」。この経験で、進むべき道に背骨のような一本の筋が通った。

 脊椎に特化して38年間を駆け抜け、現在は病院運営をつかさどる立場。「みんなでやればどんどん進める」という精神は変えず、「ワンチーム」で未来を切り開く。

独立行政法人労働者健康安全機構 長崎労災病院
長崎県佐世保市瀬戸越2ー12ー5 ☎0956ー49ー2191(代表)
http://nagasakih.johas.go.jp/

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