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関係構築のために奔走 地域とのつながり実感

関係構築のために奔走  地域とのつながり実感

 金兼 千春 院長(かねがね・ちはる)
1988年金沢大学医学部卒業。金沢大学医学部附属病院
(現:金沢大学附属病院)小児科、国立病院機構富山病院診療部長、
同特命副院長などを経て、2020年から現職。

 院長に就任以来、多職種の連携と、地域との関係性を築くことに注力している金兼千春院長。多職種での話し合いを重視するようになった経緯や、成果が出始めている地域へ連携を働きかける手法について尋ねた。


―院長就任時を振り返って。

 富山県で新型コロナウイルスの感染が初めて確認されたのは、2020年3月30日でした。私が院長に就任したのはその2日後です。同年4月からはコロナの対策委員会を毎日開催し、感染対策を練り上げてきました。全国の医療機関もそうであったように、当時コロナに対する知識が不足しており、全てが手探りでした。

 コロナ対策に明け暮れる中で、院内での虐待案件や附属看護学校でのハラスメント案件への対応にも追われました。通常3年程度で交代する幹部職員は人事異動がほぼなかったことで結束が固く、事務長をはじめ経験豊富な方たちがいてくれてとてもありがたかったのを覚えています。


―特に注力している取り組みを教えてください。

 トラブル続きのスタートの中で、多職種で話し合える環境の大切さを、身を持って感じました。当院は重症心身障害児(者)の医療・療育、児童精神疾患、神経難病、結核などを担う慢性期病院で、多職種での取り組みが必要不可欠です。しかし、医師たちの中にはチーム医療に対する理解が希薄な人もいて、多職種でのカンファランスすら定着していませんでした。

 同年4月から身体拘束に対するカンファランスが義務化されたのを契機に、多職種でのカンファランスを定着させるようにしました。多職種の身体拘束カンファランスは実現していますが、まだまだ不十分だと感じています。

 また、当院は在宅重症心身障害児の支援として50年を超える短期入所事業の実績があり、児童相談所との連携も当時から続いています。こうした地域に根差した活動をしているにもかかわらず、障害者医療の特殊性もあって地域での知名度はとても低く、前身の結核療養所のイメージが色濃く残っていると感じます。地域住民との交流もほとんどなく、災害対策での連携も取れていない状態でした。

 そこで県の主催する会議や隣接する特別支援学校の会議などで、とにかく参加者の方たちに名刺を配って回り、会議の中で発言して当院の紹介を必ず入れることを心掛けました。コロナの感染拡大でしばしば会議は中止となっていますが、徐々にさまざまな会議に呼ばれることが増え、少しずつ当院のアピールができていると感じています。

 職員にも地域の協議会などへの参加を奨励しており、徐々に地域とつながってきています。先日、地域の自治会の方が初めて当院を訪問され、地域の災害対策への協力体制について話し合いがスタートしました。今まで時代に取り残されてきたような感覚がありましたが、なんとかリカバリーしようと試行錯誤しているところです。


―大学病院との関係構築と、人材確保の方向性について

 重症心身障害児(者)病棟(170床)を担うため小児科医が多く、元々金沢大学、富山大学の小児科とのつながりは深いですが、成人分野の講座とは連携が希薄でした。現在は結核・コロナといった感染症や神経難病の診療をしているので、富山大学の感染症科、脳神経内科の先生方に診療に参加いただき、それぞれの講座からも支援を受けられるようになっています。

 大学病院や急性期病院と密に連携し、それぞれに後方支援ができ、それぞれから急性増悪期の支援を受けられる関係を構築しています。医師の確保については、富山大学附属病院へ車で10分という地の利を生かして柔軟な働き方を提案することで確保し、今後中心になって働いてくれる若い人材の育成を目指しています。

 富山病院
富山市婦中町新町3145
☎076―469―2135(代表)
https://toyama.hosp.go.jp/

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