九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

開拓精神を継承し 一丸となって前進

開拓精神を継承し 一丸となって前進


耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野

藤原 和典 教授(ふじわら・かずのり)
2001年鳥取大学医学部卒業。松江赤十字病院、
国立病院機構京都医療センター、鳥取大学医学部附属病院頭頸部
外科長、同耳鼻咽喉・頭頸部外科准教授などを経て、2021年から現職。

 鳥取大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部(とうけいぶ)外科学分野は、地域医療をけん引しつつ、新たな治療法の導入、医療機器の開発などにも力を入れている。新教授となった藤原和典氏は教室の伝統を継承しつつ、全員が一つになって前進したいと語る。


やる気のスイッチを

 耳鼻咽喉・頭頸部外科は、専門が多岐に分かれており、各自やっていることも異なっているという。「そこで就任の際に、まずこの教室の全員で、同じ方向で、同じ気持ちで進んでいこうと伝えました」

 そのために必要な、五つのスローガンを掲げた。①何事も相談し、助け合う。②意見を自由に述べ合う。③前向きな仕事を行い、世界への発信を心掛ける。④自分が行った仕事を記録する。⑤教室の発展を皆で心掛ける。これらを意識・共有することで、一体感を生み出していく。

 臨床・研究・教育に関する目標も設定した。「臨床面では、特定の疾患にフォーカスするのではなく、地域における最後の砦(とりで)として、全領域で最高レベルの診療を提供することです」。同時に、普段の診療から見いだされたテーマに向き合いながら、基礎を含めた各研究も高いレベルで進めたいと語る。

 教育や人材育成では、具体的な教育方針を伝えつつ、しっかりとステップを踏める効率的なプログラムを作成した。一人でも多くの専門医を育てることを目標としている。その中で、メンバーの「やる気のスイッチ」を探し、押すことをいかにサポートするかが重要だと感じている。「それぞれの個性や考え方などを深く知り、くみ取ることで、やる気のスイッチは見えてきます。もともと能力があるメンバーばかりですので、私がスイッチの入れ方を間違えなければ、さらに教室全体の推進力がアップすると確信しています」


マウスピースの開発

 教室には、「新しいものに着目して開拓する」という伝統がある。藤原氏も、早期咽頭がんに対する経口的ロボット支援手術に早くから着手し、近年では内視鏡検査に用いる「ギャグレスマウスピース」の開発・製品化に成功した。 

 これは、消化器内科医から胃カメラ検査時の「オエッ」という咽頭反射を抑える方法について相談を受け、マウスピースの形状に着目したことに始まる。研究を重ね、舌が持ち上がらないように奥歯でかむマウスピースを考案する。その後、学内の「医療機器開発人材育成共学講座」を通じて企業との共同開発が進み、2018年に販売された。「企業人と医療人は、それぞれ求めている方向性が違います。共同開発を成功させるには互いを理解し、信頼することが重要だと思います。幸い、私の場合はメーカーの担当の方が非常に熱心で、強固な信頼関係を築けたことで、製品化という『出口』までたどり着くことができました」。今後はこの経験を後進に伝え、より多くのメンバーで大きな製品開発プロジェクトを進めたいと語る。


頭頸部外科の知名度の向上を図る

 地域医療連携にも着手し、すでに基幹病院を中心に、コミュニケーションの強化に取り組んでいる。また、自身の専門である嚥下(えんげ)障害の多職種連携も推進する予定だ。これらを通し、地域医療の底上げを図りたいという。

 また、耳鼻咽喉・頭頸部外科の知名度をさらに向上させることも重視している。「耳鼻咽喉科は比較的イメージできますが、頭頸部外科がどのような領域かは、まだ十分浸透していないと感じています。当教室では喉の中、甲状腺、唾液腺なども診療していることを、多くの方に知ってほしい。医療関係者にも、そういった患者さんがいた場合はいつでも相談、紹介していただきたいと思っています」


耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野
鳥取県米子市西町36-1 ☎0859-33-1111(代表)
https://www.med.tottori-u.ac.jp/otolary/

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