長野県看護協会 会長 松本 あつ子

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 謹んで新春のごあいさつを申し上げます。

 まず、2020年からの世界的な新型コロナウイルス感染症の広がりに伴い、日本国内においても感染症に苦しんでおられる皆さまに心からお見舞い申し上げます。また、この感染症に立ち向かって活動されている医療関係者の皆さまをはじめ、あらゆる場でお仕事をされている皆さまに心からの感謝と敬意を表したいと存じます。

 さて、今般の新型コロナウイルス感染症対策は各種報道されている通り、陽性者が多くなるにつれ高齢の感染者が増え、重症者が増加することで医療現場では繁忙を極めて医療崩壊目前の危機的状況にあります。また、地域における発生状況の確認や感染者の後追い調査、相談窓口等、保健所や自治体保健師の活動も過酷を極めています。

 そこで看護協会は行政と連携を取り、感染予防を目的に感染管理認定看護師を中心に高齢者施設や障がい者施設などへ向け、研修などの支援体制を整え、重症化しやすい方を守るための活動を行ってきました。さらに、感染者の早期発見のための検査体制の拡充、軽症者の宿泊施設対応のために潜在看護師などに活動の輪を広げています。

 これらの活動をするためにはそれぞれの目的を確認して、県民の安全を守るために、行政はもとより多職種と共に看護協会の活動につなげていくことが重要と考えます。

 一方、感染予防の観点から住民一人ひとりが感染症に対する正しい知識を持ち、正しい行動をとれるように啓発していくことが重要です。住民の正しい知識のもとの行動が医療崩壊を防止し、自粛を強いて経済活動を止める必要もなくなることにつながります。

 この考え方は、近代看護の祖であるフローレンス・ナイチンゲールが唱え、手洗いと環境衛生を人々の生活に定着させました。この教えを今改めて私たち看護職が指導実践する時が来たと感じています。看護の専門職として、ありとあらゆる場にいる看護職の公衆衛生活動を広げていきたいと考えます。

 現在、世界中の看護職が「 Nursing Now―看護の力で健康な社会を!―」を掲げ活動しています。感染された方はもとより、医療に携わる多くの方々が安心して暮らせる社会、人々を大切にできる誹謗(ひぼう)中傷のない世の中を目指して今後も活動してまいります。

 感染症と戦う今だからこそ、多職種の皆さまと共にさらなる連携を深め、地域の皆さま、医療者を守るための活動に尽力いたします。今後ともさらなるご支援ご指導をお願いして新年のごあいさつといたします。

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