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長期整備計画完了 ハイブリッド手術室稼働へ

長期整備計画完了 ハイブリッド手術室稼働へ

一般財団法人 津山慈風会 津山中央病院グループ 津山中央病院
岡山県津山市川崎1756 ☎0868―21―8111(代表)
http://www.tch.or.jp/

 救命救急センターとしての役割だけでなく、地域周産期母子医療センター、へき地医療拠点病院、地域がん診療連携拠点病院などいくつもの重責を担っている津山中央病院。1999年の移転以降、順次機能を強化。一連の整備計画が完了した今、次の展望は。

県北唯一の3次救急、高度急性期を担う総合病院として

ハイブリッド手術室

 2004年の健診センター開設を皮切りに、医療研修センター、健康増進施設、がん陽子線治療センター、エネルギー棟を次々と建設。2016年には新病棟建設に着手し、昨春から順次使用を開始。2019年8月には新病棟である「 N棟」が完成した。

 「N棟には広い手術室を4室新設しました。そのうち、手術支援ロボット『ダビンチ』を備えた部屋が1室。従来の手術室と合わせると全部で11室になりました。2019年3月には泌尿器科による手術が始まっています」

 さらに目玉となるのがハイブリッド手術室。TAVIと呼ばれる経カテーテル的大動脈弁置換術の院内施術を目指して新設された。岡山県内では、現在数カ所で治療を受けられる最新の治療法だ。

 「2020年春の導入を目指しています。10メートル四方の広い部屋で、血管造影しながら施術するTAVIが可能な環境が整いました。ステント内挿術や整形外科疾患の手術にも応用できると考えています。これで高齢の患者さんに、わざわざ県南まで行ってもらう必要がなくなります。ハイブリッド手術室の稼働は、心臓血管外科や脳神経外科の悲願でもあります」

 さらに、無菌室も増室した。主に整形外科で利用予定だという。

 「人工関節手術の患者さん用の部屋です。人工関節治療に積極的に取り組んでいる医師がいるので、術数も増えています。将来的には人工関節センターの設立も視野に入れています」

 1999年に現在地に移転してから、20年かけて、機能強化を進めてきた。一連の整備計画が完了した今もさらに先を見据え、歩み続けている。

 「緩和ケア病棟の始動、新生児集中治療室(NICU)の改修など、まだまだすべきことがあります。いずれも県北では不足している設備です」

 新病棟3階には、個室14床、家族用キッチンや待機場所などを整備した緩和ケア病棟もある。しかし、看護師不足から現在は稼働させていないという。

陽子線センター照射室

 「今の人員で無理にオープンさせても、スタッフに負担がかかるだけだという判断から、現在はストップしています。なるべく早く稼働させられたら」

 救命救急センターの指定を受けてから20年。美作市や鏡野町、久米南町などの津山市近郊はもとより、兵庫県佐用町など西播磨地域からも患者が救急搬送される。「県北唯一の3次救急、高度急性期を担う病院として役割を果たしていきたいと思っています」

医療・教育環境整備で人材の採用、育成と定着を目指す

ダビンチ

 「県北で高度急性期医療を担い続けるためには、人材の充足が何より必要」と話す林病院長。「陽子線治療装置やダビンチの導入など最新の医療機器を導入し、環境を整えてきたのは、患者さんのためでもありますが、スタッフが働きたいと思える医療環境、職場環境を整えるためとも言うことができます。地域を支え、患者さんを守るためには、スタッフの充実は不可欠。重症患者と救急患者であふれる当院の環境に疲弊しないためにも、人員の充足は最優先課題なのです」

 2018年、働き方改革にも着手。当直体制や給与体系を見直し、個人に負担が集中しすぎない環境を構築しつつある。

病院長

 さらに、2019年9月には川崎医科大学などを運営する「川崎学園」と、人材育成や研究の分野で連携する協定を締結。双方の施設など医療資源を有効に活用しながら、人材の育成と定着につなげたい考えだ。

 「無理なく、しかし、やりがいを持って医療に従事できる環境の実現に、真正面から向き合い、取り組んでいきます」

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