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重点7項目を掲げ診療報酬への意識を改革

重点7項目を掲げ診療報酬への意識を改革


病院長(かねこ・たかあき)

1985年京都大学医学部卒業。同神経外科、小倉記念病院、
兵庫県立塚口病院(現:兵庫県立尼崎総合医療センター)などを経て、
1996年彦根市立病院入職、2012年から現職。2016年から彦根市病院事業管理者兼任。

 地方公営企業法の全部適用となったのは2016年。基盤である診療報酬の加算に対するアプローチにおいて明確な目標を掲げたことが功を奏し、経営改善は加速しつつある。地域連携センターを軸に、地域完結型医療も目指す。

―2018年、地域医療支援病院に。また地域包括ケア病棟開設から1年。

 とにかく力を入れているのが地域連携。地域医療連携室、入退院支援室、患者家族支援室、在宅医療支援室、それに訪問看護ステーションの5部門をまとめた地域連携センターを中心に、病病連携・病診連携を強力に推し進めています。

 毎週火曜日には周辺病院の担当者とカンファレンスを実施。急性期を終える患者さん一人ひとりについて、どこで受け入れるか協議します。診療所の先生方との連絡も密に取る。これで患者さんの流れがスムーズとなり、在院日数は2日ほど短縮されて約11日になりました。

 それでも当院の入院患者の割合は回復期や慢性期が半数を占めていた。そこで2018年10月、41床の地域包括ケア病棟を開設しました。注意したのは、まずは周辺病院への転院を最優先にすること。そして地域包括ケア病棟では3週間を目安になるべく早く在宅、施設に戻れるようケアすること。これで急性期入院の割合は向上しました。

 地域包括ケア病棟は、ほぼ満床が続いています。内訳はポストアキュートが8割超。3~4割をサブアキュートにするのが目標です。周辺病院との協力で実現したいと思います。

―経営改善の切り札は。

 まずは診療報酬にかかっています。以前はそのあたりの認識が甘く、加算漏れが多々ありました。

 そこで、今年4月に重点7項目を設定。①救急医療管理②入退院支援③疾患別リハビリテーション④特別食⑤退院時情報添付⑥薬剤管理指導⑦特定薬剤管理指導です。

 それぞれにチームを作り、リーダーを任命。勉強会で認識を深めています。結果、医師だけでなく他の専門職にも考えが浸透し、指導件数はかなり増加。退院時リハ指導などベンチマークが低かった項目も改善してきています。

 加算が付くはずなのに取れていないということは、標準的な医療ができていない、という見方もできる。しっかり医療を行い、その対価を得る。ドクターがそんな経営意識を持つことは重要です。7項目が定着すれば、来年度に新たな項目を追加して広げる予定です。

 加えて、これまで以上のコスト削減にも注力します。見直しは今月から。連携法人との共同購入も考えたいですね。

―新たなトピックスや、目指したい方向性など。

 専門医が育ちましたので腫瘍内科を設けました。2020年4月から対外的に標榜し、固形がんに対する薬物療法を積極的に行う予定です。

 5人のスタッフを擁し、充実しているのが歯科口腔外科。不採算部門と考えられがちですが、診療報酬を見ると周術期だけでなく口腔ケアも良くなってきている。ケアで肺炎や脳卒中が減るとも言われており、摂食、嚥下(えんげ)も含めて医科・歯科連携を強めていきたいですね。歯科医院のみならず、当院の在宅部門も関与して進めたい。

 あとは総合診療医ですね。当院は病院総合医のプログラムが認められており、ドクターの育成と確保も重点課題の一つ。臓器別、専門分野思考がまだ主流を占める中、総合診療に興味を持つ先生を積極的にバックアップしたい。

 ここは湖東医療圏唯一の公立病院ですし、不採算部門でも持続させる責務がある。公立・公的病院が今後の方針について再検証を迫られるなど、厳しい時代を迎えています。「全員参加の経営」で乗り越えていきたいと考えています。

彦根市立病院
滋賀県彦根市八坂町1882
☎0749─22─6050(代表)
http://www.municipal-hp.hikone.shiga.jp/

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