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近畿大学医学部 眼科学教室 即戦力、臨床力持つ医師を育てる

近畿大学医学部 眼科学教室 即戦力、臨床力持つ医師を育てる

主任教授(くさか・しゅんじ)
1986年大阪大学医学部卒業。
米ミシガン大学眼科研究員、大阪大学大学院医学系研究科准教授、
近畿大学医学部堺病院眼科教授などを経て、2018年から現職。

 小児網膜硝子体疾患が専門の日下俊次主任教授が率いる教室は、南大阪エリア唯一の大学病院として眼科の6領域を広くカバーしている。地域からのニーズに対し、教室が果たすべき役割とは―。

―教室の特長、強みは。

 私自身は網膜硝子体疾患の外科的治療が専門で、特に小児の網膜疾患に長年取り組んできました。中でも症例数が少なく、専門家が限られているのが未熟児網膜症です。低出生体重児にみられ、網膜血管が正常に発達しないことで発症します。悪化すると網膜剝離を起こし、視力を失う危険性もあります。この手術は現在、主に国立成育医療研究センター(東京都)と本学、産業医科大学(福岡県)が担っており、責任の重さを感じています。

 新興国では未熟児網膜症への十分な治療が行き届かず、失明の原因の一つとなっていることから、インドネシアなどの現地医師から要請を受け、十数人を受け入れて手術してきました。子どもの目を預かることの重要性を感じながら、何とか通常の生活が送れるように全力を尽くしてきました。

 通常の白内障手術は年間2500~3000件近くを行っていて、こちらも十分な質を担保できていると考えています。緑内障の治療、検査も力を入れている分野です。国際視野画像学会と日本視野画像学会の理事長を務める松本長太教授を中心に視野と視覚生理の研究に取り組んでおり、測定機器や検査方法の開発にもつながっています。

 角膜感染症や角膜移植の臨床研究も盛んで、角膜移植も多く行っています。難病に指定されている黄斑ジストロフィーでは、他の大学病院を含む全国規模の研究グループで遺伝子検索などの研究に取り組んでいます。

 このように、網膜をはじめ角結膜、緑内障、白内障、弱視・斜視、神経眼科・眼付属器の6領域を広くカバーしているのが強みです。

―専門医の育成について。

 教室員は開業医や勤務医の子弟が多く、将来は独立するビジョンを持つ傾向が強い。そのため、リサーチはもちろんですが、臨床の実践力をつけることを念頭に置いています。

 診断能力に長け、手術の腕があって第一線で活躍できる眼科医の育成が地域から期待されていると感じており、専門教育プログラムにも「即戦力のある臨床医を育てる」ことをうたっています。

 例年入局するのは2、3人で、入局者に対する上級医師数が多く、一人ひとりが濃密な教育を受けられる環境です。36床を6、7人で受け持っており、1人当たりの手術件数が多く若い時から経験を積むことができます。学会発表や臨床研究に意欲的に取り組んでもらうのも環境が大事で、若手の先生が後輩の面倒をよく見てくれているおかげで良い雰囲気が醸成されていると感じます。

―働き方を含めて目指す方向性は。

 「手術件数を増やす」「手術は早く終わらせる」という二つの目標を掲げています。少々乱暴な印象を受けるかもしれませんが、手術前後に迅速に患者さんの入れ替えを行って待ち時間を減らしています。手術は原則夕方までに終了させ、長引きがちだった外来診療も病診連携を徹底して時間短縮を図っています。

 一般企業での「働き方改革」の導入もあり、働きやすい環境かどうかは医学生や若い医師がより重視していく点だと捉えています。効率化を図って教室の魅力を高めるとともに、論文や研究に充てる時間を確保して教室内の競争心を育むという狙いもあります。

 教室全体の約4割を女性医師が占め、3人が出産を控えています。全体でバックアップし、長く活躍できるような体制を整えていくことも重要です。しっかり働いて、しっかり休める。環境と実績をさらに向上させて、選ばれる教室を目指します。


大阪府大阪狭山市大野東377―2 ☎︎072―366―0221(代表)
https://www.med.kindai.ac.jp/optho/

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