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近畿大学医学部 循環器内科学教室 「心臓なら近大」と言われるチームに

近畿大学医学部  循環器内科学教室 「心臓なら近大」と言われるチームに

中澤 学 主任教授(なかざわ・がく)
2000年 東邦大学医学部卒業、東京大学医学部附属病院。
三井記念病院、米CVPath Institute,inc、東海大学医学部循環器内科学准教授などを経て、
2020年から現職。

 着任から1年を迎えた中澤学主任教授が率いる近畿大学医学部循環器内科学教室。前任地の東海大学で約10年、カテーテル治療を究めてきた教授の手によって変わりつつあるという教室の現状、そして今後のビジョンを聞いた。

―教室の現状は。

 まず、これまで近大では心臓血管外科主導で行ってきた経カテーテル大動脈弁治療(TAVI)について、循環器内科チームもTAVIを受ける患者さんの病棟受け持ちをした上で、主術者として治療に当たれるようにしました。手術を紹介くださる先生方は内科医が多いので、やはり内科に窓口があることで症例数は増えます。2019年に30件ほどだった年間手術件数は、2020年は11月中旬時点で、70件を超えました。

 さらに、新たに三つのカテーテル治療を開始しました。心房中隔欠損症閉鎖術と卵円孔開存閉鎖術、左心耳閉鎖術です。これらの施設認定においては、前任地での経験や実績が、大いに役立ったと実感しています。

 次の目標は、マイトラクリップという経皮的僧帽弁形成術の導入です。実現できれば、カテーテルを使った心疾患の治療が、ほぼ全て当院で実施できる体制が整います。

 初年度では、目標以上に順調に、環境を整備できました。ハートチームとして連携する心臓血管外科の坂口元一主任教授のご協力があってこそと感謝しています。今後もハートチームとして一体感を持ち、地域全体を巻き込んだネットワークを拡充させたいと思います。

―チーム力の向上や若手育成について。

 私の就任後、もともと親交のあった3人が教室に参画してくれ、カテーテル治療や心エコーの部分が一層充実しました。

 チーム力の向上と同じぐらい大きな影響があったのが、その3人が近大以外の出身であったということです。環境が違えば、やり方や常識が違うことは、医療・医学の世界に限らず、多々あります。多様な考え方を受け入れ、より良いものを追求する。そんな素地をつくり、若手が広い視野を持てる環境にしたいですね。また、研究的視点を大切にしようと、リサーチカンファレンスも始めました。

 私自身もそうでしたが、人は信頼され、任されることでやる気が出ます。若い人が、やる気を持って、存分に力を発揮できる環境をつくっていくことが、私の役割の一つです。2021年春に3人の入局が決まっています。互いに刺激し合い、相乗効果が生まれる教室を目指したいと思っています。

―運営の方針は。

 一つは、「慣習にとらわれない」こと。例えばこれまでは、カテーテルの挿入口となる器具「シース」を留置して患者さんを病棟に移し、夕方や夜に若手の医師が抜いていましたが、病棟で抜くのはリスクが高い上、若手への負担も大きいので術後に抜くことにしました。

 1チーム2人制を、新型コロナ対策もあり5人制へ変更。何かあってもチーム内でカバーしあえるよう、体制や勤務態勢を整えつつあります。

 患者さんの負担を軽減する努力も必要です。まずは、初診日に冠動脈CTが撮影できるようにしました。これまでは初診と別の日にエコーやCTを撮ることが多かったので、一歩前進です。

 また、日帰りカテーテル検査も開始。ベッドに空きがなくても実施できるため、待機期間を短縮できます。来たくなる病院、診療科の実現のためにできることは積極的にやっていきたいですね。

 5年後を見据えた私たちの目標は、「地域で頼られる病院になること」です。より低侵襲で治す、重症であったり治療が難しかったりする症例でも、決して諦めない。一つひとつ結果を積み重ねることで、「心臓の手術をするなら近大」と言われるチームになりたいと思っています。


大阪府大阪狭山市大野東377―2 ☎︎072―366―0221(代表)
https://www.med.kindai.ac.jp/junnai/

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