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軸は高度急性期医療 役割の明確化を促進

軸は高度急性期医療 役割の明確化を促進


院長(いしはら・ひろし)

1982年群馬大学医学部卒業。
同附属病院、日高病院、前橋赤十字病院消化器科部長、しらかわ診療所院長、
高崎総合医療センター統括診療部長などを経て、2012年から現職。

 高度急性期医療の徹底した推進、2020年3月の新棟オープンに伴う増床。医療圏での立ち位置の明確化を図ることで、連携体制のさらなる構築を目指す。この積極的な動きが、どのような課題の解決につながるのか。石原弘院長の視点にフォーカスした。

─医療圏について教えてください。

 群馬県は10の2次医療圏に分かれており、当院が位置するのは最も人口が多い高崎・安中医療圏。40数万人が暮らしています。

 医療圏をカバーする公立・公的病院は、高崎市の当センターと、安中市にある公立碓氷病院。国が公立・公的病院の再編や統合を促す動きを加速させている中、群馬県でも4病院が対象として公表されました。

 県内はもちろん、医療圏内においても医師の偏在などが見られます。高崎・安中医療圏における当センターの役割も、これから何らかの影響を受けることになるでしょう。

 では、私たちは何を軸とすべきか。これまでと同様に高度急性期医療を推進していく方針です。2020年3月、新棟のオープンに伴って34床増床し、計485床の病院として新たなスタートを切ります。病床数が減少へと向かう現在、増床を認めてもらうのは簡単なことではありません。約2年間をかけて、地域の医療関係者の理解なども得て、実現にこぎ着けました。

─なぜ新棟が必要だったのでしょうか。

 今や、1施設完結型の医療は成立しません。医療機関の役割分担を進め、患者さんを「地域で診る」ことが必要です。

 重症の患者さんを受け入れ、治療後に連携する医療機関へと円滑にバトンタッチしていくには、451床のままでは不十分なのが現状です。また、当院の六つの手術室では、患者さんのニーズにしっかりと応えることができません。

 例えば、がんの患者さんが手術を受けるまでに2カ月間の待機を余儀なくされるなど、心理的な面でも負担が大きくなるケースが発生しているのです。

 私が統括診療部長として当センターに赴任した2011年と比較して、医師数は約140人、救急車の受け入れ台数は約6000台と、さまざまな側面において規模が倍増しました。

 建物は2009年に完成し、まだ使用は10年程度。実は運用当初から、医療機能、職員が働く環境ともに余裕がない状態が浮き彫りになっていました。それだけ、当院が置かれている状況が激しく変化したことを示しているとも言えます。

─改善される点は。

 新棟には五つの手術室を整備。うち1室はハイブリッド手術室です。2018年の手術件数は1室当たり600件で、計約3600件。スタッフたちは救急患者も受け入れつつ、よくスケジュールを調整して対応していると思います。

 11室に増えれば、年間6000件ほどの手術が可能になると考えています。患者さんをお待たせしてしまうこともかなり減らせるでしょう。また、救急部門の外来スペースも拡充します。救急車の受け入れは、数年内には8000台ほどまで伸ばせるだろうとイメージしています。

 入退院センターの機能も新棟に移行。隣接して地域医療支援・連携センターを配置し、当院の受け入れから転院への流れに関してさらなる円滑化を図ります。

 紹介率は85%〜90%、逆紹介率は100%を維持しています。直接顔を合わせる機会として、2カ月ごとに開く「症例検討会」や年に2回の「連携の会」、2019年は340人ほどが集まった年に1回の「登録医大会」などがあります。

 新棟をきっかけに医療機能のグレードアップを実現するとともに、地域の医療機関や開業医の先生方との関係性もより強めていきたいと考えています。

独立行政法人国立病院機構 高崎総合医療センター
群馬県高崎市高松町36
☎027─322─5901(代表)
https://takasaki.hosp.go.jp/

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