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起こりつつある変化 向かうべき場所は?

起こりつつある変化 向かうべき場所は?


松本 隆 院長(まつもと・たかし)

1982年名古屋市立大学医学部卒業。
英ロンドン大学神経学研究所、名古屋市立大学病院、
名鉄病院などを経て、2002年豊川市民病院入職。2019年から現職。

 「足りないのは覚悟と自信、戦略です―」。4月の就任時に全職員に向けて所信表明。抱負と共にビジョンと具体策を打ち出した新院長の松本隆氏。目指すは「北欧国家型病院」の実現だ。どのような病院を、どんな方法でつくろうとしているのか。今後にかける思いを語ってもらった。

「高機能」「高収益」「高労働環境」を

 新病院開設は2013年。旧病院は満床が続き、実に多忙だったと松本隆院長。心機一転で臨んだ新天地では2年で黒字へと転換した。だが「2017年から赤字に転落。ここ数年、病院がなんとなく目標を失っていた気がして、何とかしたいと思っていました」

 複数の病院認定を取得する準備は整いつつあった。そこで、院長就任を機にこれらを一気に完遂。さらに「高機能」「高収益」「高労働環境」の「北欧国家型」の病院へと向かう意思を所信表明に込めた。「病院全体が一丸となってまた盛り上がっていきたい。それを伝えたかったのです」

 「高機能」は立て続けに実現した。12月1日付けで念願の救命救急センターに指定。「3次救急を全うする覚悟です」

 11月には地域医療支援病院にも認定された。「市内のほか新城市、豊橋市の先生方も連携登録医として多く登録してくださった。積極的に強みをアピールしたいですね」。さらに2020年度には、がん診療拠点病院(愛知県知事指定)を目指す計画もある。

 「高収益」に関してもこれからのイメージは固まっている。「2020年5月に電子カルテを一新します。コストを抑え、診療報酬の状況についてしっかりと検証し、合理化を進めたい」。入退院調整にも引き続き力を入れていく。

若い医師を同じ目に遭わせない

 「高労働環境」の実現については強い思い入れがあるという。

 「ロンドン大学へ行ったときは衝撃でした。難しく、高い技術が求められる手術が、医師のQOLを保ちながら行われていたのです」

 帰国後も働き詰めの日々が続き、講師時代に燃え尽きた。大学を離れ、市中病院に勤務していたところ、豊川市民病院の脳外科部長として誘われた。

 「若い先生を同じ目に遭わせてはいけないと、主治医制とチーム医療の融合を図りました。医師4人で『月3日完全フリー』のルールを徹底して推進しました」

  労働環境の改善と医療の質を両立した。なぜ、これまでできなかったのか。「問題は医師側の先入観にもあったと思います」。この例をベースに各科に応じた改善を喚起。消化器内科が夜間と週末は当番制になるなど変化が起こりつつある。

 「県内で最も女性医師が働きやすい病院」も目標として掲げる。「女性医師のワーキンググループで働き方改革を検討中。2020年は医師、2021年は職員全体へ広げたいですね」

人が集まり幸せになる病院に

 脳外科医になったきっかけは、シンプルにかっこいいなと憧れたからです」と振り返る松本院長。「人間の体をつかさどる脳は、一番難しい領域というイメージがあった。そこをダイレクトに触って治せるなんて、すごいなと」

 実際に取り組んでみると想像以上に興味深く、自身の性格にも合っていたようだと話す。

 院長職にも、同様の感慨を抱いているという。「やりがいは大きいですね。こうやって集中して取り組めるのは、職員の協力あってこそ。感謝しています」

 人が好きだ。関わるすべての人が少しでも満足できる病院にしたいと願う。ホームページの院長あいさつを締めくくる言葉に、その思いが込められている。

 「人が集まり、集まった人が幸せになる、そんな病院にしたい」

豊川市民病院
愛知県豊川市八幡町野路23 ☎0533─86─1111(代表) 
https://www.toyokawa-ch-aichi.jp/

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