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課題は働き方改革 道筋をつくり対応へ

課題は働き方改革 道筋をつくり対応へ


院長(なかい・くにお)

1976年和歌山県立医科大学卒業。
米カリフォルニア工科大学生物学部研究員、和歌山県立医科大学脳神経外科助教授、
同大学看護短期大学部病態学教授などを経て、2003年から現職。

 「急性期医療の充実」を旗印に、南和歌山医療センターの救急医療、がん医療などの充実に、長年努めてきた中井國雄院長。住民のために「地域で完結できる医療をつくりたい―」。その一貫した思いが、変わることはない。

―院長としてこれまでの歩みを。

 地域にとって足りない医療、いわば〝穴〟が空いている部分はないかを考え、それを補っていくことを念頭においてきました。

 地域住民がわざわざ遠方まで行く必要がなく、地域で医療が完結できることが理想。救急医療とがん医療を柱にしたのは、その狙いがあったからです。

 2006年、県内3カ所目となる救命救急センターの認可を受けました。現在、年間約4000台の救急車を受け入れています。

 がん医療については、がん診療連携拠点病院の指定を受けました。治療についてはIMRT(強度変調放射線治療)を早くから導入するなど、高度で低侵襲な治療を提供することに取り組んでいます。

 2010年には、緩和ケア病棟(陽だまり)をリニューアルしました。公認心理師、地域医療連携室看護師など、多職種によるチーム医療を取り入れています。

 これらの取り組みによって地域での信頼を得て、紹介患者さん、入院を希望する患者さんが増えています。現場スタッフのスキルも上がっており、体だけでなく、心のケアも重視した、質の高い緩和ケアを提供できています。

―病院運営の課題について教えてください。

 働き方改革に対応するための道筋をつくることが、一番の課題です。現在当院の常勤医は51人ほどです。救命救急センターは夜間、同センター以外の診療科の医師も応援に入り、運営しています。

 働き方改革が進められる中、休日を確保して当院を運営するには、医師の数を増やすことがポイントになります。

 猶予期間が5年間とはいうものの、規制は2024年4月から始まりますので、あまり時間はありません。これを踏まえ、実際に2024年度からは、どの程度の人員が必要なのかを検討しているところです。2020年度は、改革への準備へ向けて、新しい体制づくりに着手したいと考えています。

 連携する和歌山県立医科大学には地域枠が設けられており、当院にも卒業生が入職し始めています。当院は外科系の指導に積極的に取り組んでいます。その中から救急を希望する研修医が増えてくれることを期待しています。

 若手の医師に伝えているのは、あいさつや敬語を大切にするようにということ。そして、苦しんでいる人を見かけたら、互いに助けられるような心を持ってほしいと伝えています。

 病院建物の建て替えも課題の一つです。建築から約30年というものもあり、検討チームなどを中心に考えていかなければなりません。

―地域の医療機関との連携については。

 地域によって、看護師の確保が難しいところがあります。その対策の一つとして、県南部の病院とは、看護師の人事交流などを実施しています。

 母体が違っても看護師が一時的に不足する病院があれば、要請を受けて半年から1年程度、看護師を派遣する仕組みを整えました。看護師は任務が終了すると再び当院に戻ってくるというものです。

 ただ、このような活動を永続的にやっていくことは、なかなか容易ではありません。組織母体が違うと、連携へのハードルがより上がります。

 国は公立病院の再編、統合を推進しています。行政などとも連携しつつ、地域全体で課題解決の糸口を見つけていきたいと考えています。

独立行政法人 国立病院機構 南和歌山医療センター
和歌山県田辺市たきない町27―1
☎0739―26―7050(代表)
https://minamiwakayama.hosp.go.jp/

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