九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

誰にもやさしい病院に

誰にもやさしい病院に


病院長(さかきばら・ひでや)

1985年横浜市立大学医学部卒業。
米カリフォルニア大学サンフランシスコ校生殖内分泌センター、
横浜市立大学附属市民総合医療センター婦人科部長、同診療教授などを経て、
2020年から現職。

 1871(明治4)年に市民病院として発足した横浜市立大学附属市民総合医療センター。2020年4月に就任した榊原秀也病院長に、病院の現状と課題、2021年迎える創立150周年の事業計画について聞いた。

コロナ禍での就任 感染拡大に憂慮

 榊原病院長は開口一番、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を語る。

 「働き方改革や地域包括ケアシステムなどを見据えながら、病院改革に取り組んでいくことが私のミッションだと考えていました。就任早々、拡大の波が押し寄せ、対応に追われた結果、入院、外来ともに患者数が減少と、予想外のことにとまどいました」

 その後、通常の診療体制に戻ったものの、再び感染者数が増加。入院、外来ともに患者数は以前の水準に戻っていない。「与えられた環境下で結果を出すのが私の仕事。しかし、今後も繰り返される感染の波を想定しながらの改革は、複雑な方程式を解くようなもの。非常に厳しい状況です」

 病院スタッフのモチベーション維持も重要という。「私を含め全員、大きな打撃を受けたという気持ちを癒やす時間もないまま、再び戦っていくには大変なものがあります。なんとか心にまでとどくサポート体制を構築し、市民の期待に応えていきたい」

2次、3次救急を担う〝ハイブリッド病院〟

 同センターは明治初頭、ハヤシライスの創案者としても知られる、実業家の早矢仕有的氏が創設した市民病院が前身。1944年設立の横浜市立医学専門学校(現:横浜市立大学医学部)の母体にもなっている。

 「市民病院としての歴史、実績などを引き継ぎ、大学病院として3次救急はもちろん、2次救急も担う〝ハイブリッド病院〟という特性があります」

 街中に立地しているという利便性を重視した横浜市の委託を受け、高度救命救急センターも、同センター内に設置されている。

 「高度救命救急センターを含め、10の疾患別センターが稼働しています。産科救急や精神科救急など、ほかの病院では困難な救急患者の受け入れも、積極的に行っています」

「赤ちゃんにやさしい病院」認定に貢献

 榊原病院長は横浜生まれ横浜育ちのいわば〝浜っ子〟。両親とも医療従事者で、医者になるべくして育てられたという。

 産婦人科医を選択した理由はホルモン(内分泌)の不思議に魅せられたからだ。「情報伝達物質であるホルモンが、ターゲット細胞の受容体と結合すると、たちまちスイッチが入って、細胞分裂などが始まる。生命のはかり知れない緻密なシステムのとりこになりました」と笑う。

 同センターは、世界保健機構(WHO)、国連児童基金(ユニセフ)が推進している「赤ちゃんにやさしい病院(BFH)」に、大学病院として、さらには神奈川県内の病院として、初めての認定を受けた施設である。榊原病院長は、その実績を担ってきた功労者の一人。

 「同機関が推奨する、母乳育児の基準を長期にわたり順守実践する産科施設として評価されました。母乳には、赤ちゃんの健康を守るお母さんの免疫物質が豊富に含まれています。当センターも母親のように市民の健康を守る〝誰にもやさしい病院〟であり続けることを、目標として掲げ続けています」

 同センターは2021年に創立150周年を迎える。「新型コロナの感染状況によっては記念事業どころではないかもしれません。実施できれば、新型コロナ収束の証しともなります。2021年、横浜、そして日本全体がそうなっていることを願うばかりです」

横浜市立大学附属市民総合医療センター
横浜市南区浦舟町4ー57 ☎️045ー261ー5656(代表)
https://www.yokohama-cu.ac.jp/urahp/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram did not return a 200.

コメントはこちらから

[contact-form-7 404 "Not Found"]
メニューを閉じる