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“試されている”心構えで病院づくりに挑む

“試されている”心構えで病院づくりに挑む

社会医療法人 志聖会 総合犬山中央病院
竹腰 篤 理事長(たけこし・あつし)

1991年大阪医科大学卒業。大垣市民病院、名古屋大学呼吸器内科、
名城病院、加茂病院(現:豊田厚生病院)、
国立医療・病院管理研究所(現:国立保健医療科学院)を経て、
2002年志聖会入職、2019年から現職。

 前理事長の遺志を受け継ぎ、法人運営の担い手となって数カ月。病院の建て替え計画も進む総合犬山中央病院。竹腰篤理事長が目指そうとする、これからの道筋は。

縁と宿命に導かれ

 市内を巡回するコミュニティーバスの路線図を見ると、路線がひときわ集中している停留所がある。「総合犬山中央病院」。市の玄関口である犬山駅よりも多くのバスが止まる、まさに〝町の拠点〟だ。

 この病院の母体である志聖会の創設者で、前理事長である竹腰昭道氏が逝去したのは2018年12月のこと。その跡を継いで3月、副理事長を務めていた息子の篤氏が理事長に就任した。「一気に視界が広がった感じでしたね」と振り返る。

 父親が前身となる医院を開いたのは物心つく前。高校生の頃に、今の「総合犬山中央病院」が開設された。

 一人息子として周囲にも期待され、医師になるのは自然な流れ。「反発した時期もありました。でも結局、他の道に進む勇気がなかったんですね」と冗談交じりに笑う。

 父親は何より、一人の総合内科医として尊敬できる人物だった。「非番のときも患者さんの相談に乗ったり、家を訪ねたり。できそうで、できないことです」

 その父から勧められ、また良い指導者に巡り合ったことも重なり、呼吸器内科の道へ。「これも自ら選んだわけではなく、導かれたと言いますか(笑)。さまざまな縁に恵まれて、結果として今がある感じですね」

 呼吸器内科の一番の魅力は、一つの臓器を通して全人的に診ることができる点だと話す。「進行が早い疾患から遅い疾患まで、感染症から自己免疫性疾患、アレルギー、悪性腫瘍まで。多様な病状を持つ臓器ですから、ライフワークとしてのやりがいは十分ですね」

完璧でないからこそ成長できる

 父親の苦労を見てきたつもりだが、改善の余地がある部分は、多く残されていると実感する。「患者ファーストの医療がまだ十分ではない」。他の医療機関や救急隊、自治体との信頼関係づくりも道半ばだ。

「まずは院内の意識改革ですが、相当な時間と努力が必要だと覚悟しています。職員はまじめでやさしい人が多い。反面、柔軟性や積極性はもっと伸ばせる。このままでは厳しい時代が来るが、だからこそ一緒に成長していきたい」

 今後の目標を共有するため、会合の場だけでなく日頃からできるだけ本音を引き出し吸い上げる努力を、まず自分がしなければと言い聞かせている。

どう変わるか見ていてほしい

 築36年を迎えた病棟を、4年後をめどに建て替える計画がスタートした。

 現在は、回復期リハビリテーション48床、地域包括ケア60床を含む計306床だが、これをどう引き継ぐか。「目指すのは、コンパクトで効率性を高めた病院です。急性期のダウンサイズは間違いない。他を増床するかどうか、周囲との関係性も考慮して見極めたい」と話す。

 「ハード面はもちろんですが、特にうちはソフト面の充実が要。職員の意識改革もそうですが、業務内容の改善や効率化をダイナミックに進めていければと思っています」

 常々感じているのは〝中核病院〟であるという重み。その役割を十分に果たせているのか、自問する毎日だ。病院も自分も、今がまさに〝試されている〟時期だと自覚し、身を引き締める。「未熟な部分は、多々あります。もっと愛される病院になるために、われわれはどうあるべきか。期待に応えるため頑張る姿を、見ていてほしいですね」

社会医療法人 志聖会 総合犬山中央病院
愛知県犬山市五郎丸二タ子塚6  ☎0568—62—8111(代表)
http://www.inuyamachuohospital.or.jp/

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