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診断、治療、社会復帰へ脳専門病院の挑戦

診断、治療、社会復帰へ脳専門病院の挑戦

 
総長・院長(かたやま・よういち)

1974年日本大学医学部卒業。
米バージニア医科大学脳神経外科、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校脳神経外科、
日本大学脳神経外科主任教授・副総長などを経て、2017年から現職。
青森大学脳と健康科学研究センター長兼任。

 2017年5月に脳神経外科の専門病院として開設された「青森新都市病院」。脳神経外科疾患を中心に、診断から治療、社会復帰までの総合的な医療の提供を目指す。

―脳神経外科専門病院として開設2年半。狙いは。

 当院の母体となる医療法人雄心会は、北海道函館市の函館新都市病院を中心に、病院や介護施設などを運営しています。函館新都市病院は、主に函館地域を対象にした脳神経外科の専門病院で、今年32周年を迎えます。

 法人の伊藤丈雄理事長は脳神経外科分野で多くの経験を積まれた医師です。長年にわたって診断から治療、社会復帰までを見据えた質の高い医療や介護の提供に注力。それが法人の理念でもあります。こうして函館で積み重ねたノウハウを青森市で生かそうと新たな病院づくりに取り組むことにしました。

 全国的な傾向を見ると都市部では循環器や脳神経といったさまざまな専門性のある病院が多数展開されています。一方、青森市でそのような需要があるのか未知数でした。しかし、開設から2年半で、年間約1200台の救急車を受け入れるまでになりました。

 この地域にも高度で専門的な医療を提供する病院の必要性があったのだと思います。期待に応えるためにも、当院はより高度で専門性の高い医療を提供する責任があると考えます。

―病院の特徴、強みなど。

 病院は東北新幹線の「新青森」駅に隣接しています。専門病院であれば広いエリアをカバーしなければならないと考えて、アクセスを重視しました。

 診療面での大きな特徴は脳神経外科において、あらゆる分野に対応すること。脳神経外科の専門医5人を中心に、脳卒中、脳外傷、脳腫瘍、脳機能の調整まで多様な専門家をそろえています。

 脳卒中や脳外傷など一刻を争う疾患に対しても、365日、24時間手術が可能。脳腫瘍に対する放射線治療、脳動脈瘤(りゅう)に対する血管内治療など、さまざまな手術の実積があります。

 質の高い検査や治療を提供したいと医療機器も充実しています。高精度放射線治療システム、3・0テスラのMRI、血管造影装置など、最新の医療機器を取りそろえています。

 加えて、リハビリにも力を入れています。最近では急性期のリハビリの重要性が高まっています。患者さんの社会復帰までを支えるために早期にリハビリを開始し、寝たきりにしないことを重視しています。

 患者や家族の状況に即した居宅での療養を支えるため、開院当初から訪問看護の機能を有していることも特徴の一つです。在宅の患者さんをサポートすることも、大事な役割だと考えています。

 さらに、歯科口腔外科も設けています。咀嚼(そしゃく)が脳機能にさまざまな影響を与えることが、多くの研究で明らかにされています。患者さんのQOLを支える意味でも大切な診療科だと思います。

 また、乳腺外科や形成外科による乳がん治療や、消化器の内視鏡治療にも力を入れており、診療科の幅も広がってきています。

―病院に「青森大学脳と健康科学研究センター」が併設されています。

 青森県の健康寿命は全国的にも低くなっています。そこで大学と連携しながら臨床研究を進めることで、脳を守るための新たな知見を生み出せないかと考えています。脳を守ることは病気の予防や健康増進に貢献し、さらに健康寿命の延伸にもつながると思います。

 10月の「日本脳神経外科学会学術総会」では、循環器疾患の予防薬を処方された患者さんの脳疾患の発症リスクを調査した研究などについて発表しました。センターの研究が、国内の新たな知見として、超高齢社会に貢献する。そんな未来を描いています。

医療法人雄心会 青森新都市病院
青森市石江3―1
☎017―757―8750(代表)
http://aomorishintoshi-hp.yushinkai.jp/

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