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訪問看護の充実を視野に

訪問看護の充実を視野に


院長(やぶした・かずひさ)

1983年金沢大学医学部卒業、1990年同大学院卒業。
富山県立中央病院、高岡市民病院外科などを経て、2019年から現職。

 少子高齢化や働き方改革などが進む中で、自治体病院は、どうあるべきなのか。急性期病院の役割を担いつつも、訪問看護の充実を視野に入れる高岡市民病院の藪下和久院長に、話を聞いた。

地域包括ケアの旗振り役

 当院は富山県の高岡市、射水市、氷見市の計3市、人口約30万人をカバーする2次救急病院です。また、高岡市が運営する自治体病院でもあります。

 医療圏全体で、少子高齢化、人口減少が進んでいます。家族のあり方が変化し、核家族化が進んだ影響で、老夫婦だけの世帯、高齢独居の患者さんもかなり増えてきています。

 これまで取り組んできた急性期医療をベースにしながらも、今後は地域包括ケアシステムが地域にとって重要になってくることを、つくづく実感しているところです。例えば食事の提供一つを見ても、かつて家族内で行っていたことを、地域で見守るような仕組みが必要になってきています。

 退院後の訪問看護や、介護へのスムーズな移行のお手伝いができたらと考えています。われわれは自治体病院ですので、市民のためになることを行っていきたい。地域包括ケアシステム構築の旗振り役になっていけたらと考えています。

必要とされる訪問看護

 地域包括ケアシステムが必要不可欠になりつつある中、今後は訪問看護を充実させたいと思っています。病院内に訪問看護専門のステーションを設立するという構想もあります。

 他の病院に訪問看護の状況を聞くと、どこも患者さんの高齢化とともに業務が複雑化していました。以前までは老衰などの患者さんが多数だったのに対し、今はがんの手術後や、心臓・脳血管障害の治療後など、症状や状態もさまざまです。看護師にも専門的なスキルが必要となっています。

 当院には、急性期医療に対応すべく、研修を経た有資格の看護師が多く在籍しています。専門性の高い訪問看護を実現することで、地域に貢献できればと思います。

職員全員で取り組む

 高い水準の急性期医療を提供するために、2019年9月には、内視鏡下手術支援ロボット「ダビンチ」を導入しました。同年12月から泌尿器科の前立腺全摘術と産婦人科の子宮全摘術でロボット手術を開始しました。これまでの放射線治療や化学療法と組み合わせて、より充実したがん診療体制を構築していきます。

 訪問看護に取り組む上で、より重要なのが医師・看護師などのマンパワー。特に医師数の充実は急務です。病院長として、医師の確保に努めるべく、近隣の大学病院との折衝、連携を図っているところです。

 病院が位置する高岡医療圏では、以前から当院を含む3病院で救急対応の輪番制を取り入れています。当番日以外はよほどのことがない限り、緊急出動になることはありません。働き方改革が推進されていることもあり、この制度に非常に助けられています。しかし、医師の在籍数がこれ以上減ってしまうと、この制度が成り立ちません。

 働き方改革を推進するには、タスクシェアリングの導入も必要になってくるでしょう。例えば、看護師が専門性を高め医師の業務をアシストできるようにするなど、メディカルスタッフの技術向上も検討すべき時代になっています。

 研修医も多く受け入れたいと思っています。魅力的な研修ができるよう、担当委員会にて研修プログラムの見直しや、住環境の整備を行っています。

 職員全員の力を合わせて、自治体病院として、しっかりと地域医療貢献ができるよう、今後も尽力していきます。

高岡市民病院
富山県高岡市宝町4―1
☎0766─23─0204(代表)
https://www.med-takaoka.jp/

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