九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

若手医師の育成に着手

若手医師の育成に着手


主任教授(はが・のぶひろ)

1997年福島県立医科大学医学部卒業。
同附属病院泌尿器科・副腎内分泌外科副部長、
同医学部泌尿器科学講座准教授などを経て、2020年から現職。

 「最先端ロボット手術センター」の開設と同時に、福岡大学腎泌尿器外科講座に着任した羽賀宣博主任教授。小児泌尿器科、女性泌尿器科と細分化が進み、より専門性が求められる泌尿器科学において、「診療と研究の両立」ができる医師の育成を目指す。

手術支援ロボットの技術を若手に

 福岡大学病院は、2020年4月「最先端ロボット手術センター」を新設した。呼吸器科外科の佐藤寿彦センター長をはじめ、ここにはプロクター(指導者)有資格者8人を含む計16人の医師が在籍。ロボット支援下手術の習得のための全国的な教育施設として期待されている。

 開設と同時期に着任した羽賀主任教授もプロクターとして名を連ねている。福島県立医科大学から、手術支援用ロボットを用いた低侵襲手術に、数多く関わってきた。

 福岡大学病院のロボット支援下手術は、年間200例前後。腎泌尿器外科の2019年実績は、腎部分切除17例、前立腺全摘除23例に上っている。

 「ニーズは着実に増えており、手術支援ロボットを扱うことができる若手の育成に力を入れていきます。ITになじんだ若い世代は手技の習熟が早い。ただし、手術は1人ではできません。チームの信頼関係や患者さんへの丁寧な説明といった部分もしっかり教えたいと思います」

内科も外科も泌尿器科を選択

 茨城県生まれ。医師になった動機は、高校生の時の適性検査で「医師」という判定が出たという単純なものだった。「子どもながら、がんなどの病気に未知の恐怖を感じており、だからこそその世界に飛び込んでみようと思いました」

 興味をもったのは臨床推論。あらゆるデータから患者さんの病気を診断していくプロセスが面白いと感じた。内分泌内科や胃腸内科を思い浮かべつつも、外科的な治療への興味を捨てきれずにいたという。そんな中で、泌尿器科講座に新しい教授が就任し、活気に満ちた教室の雰囲気に魅了され、専門的な分野を学ぶのも面白いと感じた。「次第に泌尿器科の領域が、内視鏡手術やロボット手術へと広がったことで、外科的な要素も強くなりました。結果的に内科と外科、両方の希望がかなったと思います」

 その後は、福島医科大学に在籍しながら、地域の病院での勤務が続いた。「スタッフに助けられながら、患者さんと丁寧に向き合ってきました。人間的にも学ぶことが多く、診断から治療まで一つの科でできる泌尿器科を選択したことは間違っていなかったと思います」

若手医師の育成と最先端医療の両立を

 指導に当たっては、手術の手技習得は当然のことながら、メディカルスタッフや患者さんとの信頼関係が大切であることを教えていきたいと語る。さらに、研究、論文発表にも、一緒に積極的に取り組む姿勢だ。

 「泌尿器科では今後、がんの研究が盛んになると思います。新たな治療法や免疫チェックポイント阻害剤、分子標的薬など、ここ数年で数多く導入されています。福岡大学は設備が充実しており、がん治療の研究をするのには良い環境と言えます。基礎医学の先生とも協力しながら進めていきたいですね」

 羽賀主任教授はこれまで、前立腺がんに対する術後の機能温存を目指した手術や腎・膀胱がんの再発抑制を目指した手術法の開発に取り組んできた。それらの研究を進めると同時に、最近増えている女性特有の疾患に悩む患者のために、女性医師の育成にも注力する。

 「泌尿器科は男性の領域とされてきましたが、患者さんが相談しやすい女性医師が必要となっています。女性医師が働きやすい環境を整えていきたいですね」

福岡大学医学部 腎泌尿器外科学講座
福岡市城南区七隈7-45-1 ☎092-801-1011(代表)
http://www.med.fukuoka-u.ac.jp/urology/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram did not return a 200.

コメントはこちらから

[contact-form-7 404 "Not Found"]
メニューを閉じる