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若い医師の 〝成長の場〟に

若い医師の 〝成長の場〟に


教授(なかの・ゆきこ)

1991年広島大学医学部卒業。広島市立安佐市民病院、広島大学病院循環器内科講師、
同大学院医系科学研究科循環器内科学准教授などを経て、2020年から現職。

 広島大学大学院医系科学研究科循環器内科学の2代目教授に就任した中野由紀子氏。不整脈の専門医としてアブレーション治療の実績を重ね、ブルガダ症候群の診断にも力を入れる。中野教授に、今後の講座の運営などを聞いた。

女性活躍の場をもっと

 「就任に際してさまざまな方から、数少ない女性教授なので頑張ってほしいと声を掛けられました」

 夢を抱いて医学に飛び込んだ女性が、結婚や子育てなどで職場を離れると復帰が難しくなる。道半ばであきらめる人は少なくない。

 「職場環境の改善を通じて女性の志をバックアップすることも、教授の重要な仕事だと感じています」

 広島市生まれ。地元の大学を選択。「広島が大好き」という中野教授が、医師を目指すきっかけになったのが歯の治療だった。

 「甘いものを食べ過ぎて虫歯になり、広島大学病院の歯科に通院することに。白衣を着た女性医師が、優しく丁寧に治療してくれ、彼女に憧れたことが、きっかけになったと思います」

突然死を起こす不整脈を研究

 循環器内科の道を歩むことになったのは、研修医だった県立広島病院での経験が大きい。「病院に運ばれてきた救急の患者さんが、循環器内科の医師によって劇的に命を救われるのを目の当たりにしました。今も鮮烈に覚えています」

 研修医時代の大学でのオーベン、県立広島病院や安佐市民病院で上司に大きな影響を受け、それが今の礎になっているという。

 「研修医時代に担当した難しい不整脈症例について、国立循環器病センターから一時的に帰って来られた先生に指導を受けたことも進路の選択に影響しています。大学院でも多くの先生の指導を受けました。2003年に不整脈のチームリーダーになってからは逆に、多くの先生を指導。医師は多くの先輩の指導を受け、次は自分が多くの後輩に指導をすることが大切です。そう信念を持って臨床と研究を続けてきました」

 就任後も臨床の第一線に立つ。頻脈性不整脈のアブレーション治療、ぽっくり病とも呼ばれる遺伝性不整脈の一つ、ブルガダ症候群の診断に力を入れている。

 「ブルガダ症候群の中で突然死を起こす患者さんの早期発見のためのリスクモデルの構築、突然心停止を起こす遺伝子を発見しました。心臓突然死を少しでも減らすなど、臨床と結びつく研究を、今後も続けていきたいと思います」

チャレンジする若い医師を育成

 今後の講座運営については次のように語る。「講座の主任になり、これまで以上に魅力的な講座にしたいと思います」。魅力的とは、若い医師がグローバルに活躍する〝成長の場〟になることだと言う。

 「医師に限らず、日本人はイノベーティブなことが不得手と言われます。しかし、医師にはオリジナリティーを持った上での意見や行動が必要です。そのような場を創出し、新しいことにチャレンジする若い医師を、一人でも多く輩出できる教室にしたいと思っています」

 同時に、患者の気持ちや全体像を見失わない、倫理観を大切にする医師の育成にも力を注ぐ。「新しいデバイスや治療法を真摯に学ぶ若い医師の姿に私はいつも感心します」と、若い医師の能力を認めつつも、それだけでは〝良い医師〟として、バランスが取れないことを危惧する。

 「まず医師とは、患者さんのことを第一に考えた治療に全力を投じる必要があります。私自身を含め、今後もこの姿勢に変わりはありません。その上で、積極的に新しい医療に取り組めるよう、しっかりと指導していきたいと思います」

広島大学大学院医系科学研究科 循環器内科学
広島市南区霞1ー2ー3 ☎082ー257ー5555(代表)
https://home.hiroshima-u.ac.jp/cardio/

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