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若い人材の定着図る 統合で新たな風を

若い人材の定着図る 統合で新たな風を


久貝 忠男 院長(くがい・ただお)

1986年滋賀医科大学医学部卒業。
沖縄県立宮古病院、同県立南部医療センター・こども医療センター医療部長などを経て、
2018年から現職。

 新型コロナウイルス感染症への対応を通じ、久貝忠男院長は総合内科医の重要性を再認識するとともに、若手医師の育成や県外への流出を防ぐ対策にも心を砕いている。同じ沖縄県北部の名護市にある医師会病院との統合計画を含め、久貝院長に話を聞いた。

─コロナへの対応は。

 沖縄県北部での発生状況は、那覇市を中心とした中南部で感染者が増えた後、1週間程度遅れて増えるという一定の傾向がありました。そのため、中南部で増えると警戒を強めて準備を進めていました。これまでに累計約400人の患者さんを受け入れましたが、このうち約80%は軽症が占めています。気管挿管をした患者さんは3人。1人が亡くなられました。

 コロナ禍で活躍してくれたのは、総合内科医です。新型コロナウイルスの患者さんは肺炎や血栓などを併発するため、総合内科医が大車輪の働きをしてくれました。初期研修医たちにも働きぶりを間近で見てもらう機会となりました。若い医師には、ゼネラリストとして満遍なく診察ができ、その中でも内視鏡を使えたり循環器を診られたりするような専門性を持つ医師を目指してほしいと思います。

─若い医師を定着させるための対策は。

 沖縄では戦後、県立中部病院が取り入れた米国式の臨床研修制度が県全体に広がっていきました。初期研修ではプライマリ・ケアや米国式の救急医療を学ぼうと多くの研修医が集まりますが、後期研修になるとその多くが県外に帰ってしまい定着していないというのが現状です。

 県内の医師数は年々増加しており、医師偏在指標でも医師多数県とされていますが、北部などでは診療科によって偏在していて、今後も安定的に医師を確保する対策を展開する必要があります。

 地域医療を担ってくれる研修医に定着してもらうことが重要ですが、指導医の人数などを踏まえると、スペシャリティーを身につける上で不安を感じたことが原因で研修医が県内を離れてしまっている可能性があると思っています。こうした現状を反省し、何とかして人材を根付かせなければなりません。

 そのためには、指導医が視野を広げるために一つの病院に長くとどまるのではなく、複数の機関で経験を積めるようなプログラムをつくっていく必要があります。当院を含む県立病院の臨床力と、琉球大学の研究力を組み合わせて有効な手立てを実行に移せたらと考えています。

─統合して開設する新病院の計画は。

 当院から5㌔ほど離れた場所に公益社団法人北部地区医師会「北部地区医師会病院」があります。同じ急性期病院である2院が統合し、「公立沖縄北部医療センター」として2026年4月の開院を目指すことが決まっています。建設地は市内の農業大学校移転後の敷地です。

 12市町村と県が設立する一部事務組合が設置主体となり、統合で経営の効率化を図るとともに、スケールメリットを生かしていきたいと思っています。病床は当院が357床、医師会病院が236床あるのを合計450床にし、このうち50床が地域包括ケア病床となる予定です。

 現在は基本構想と基本計画がすでに決まっており、今後は診療科ごとのベッド数や人員配置などの細部を協議してすり合わせをしていきます。統合によって手術の症例数を増やすことで医師の技術の向上につなげて多くの人材を呼び込む、という好循環を生み出したい。人材を充足させることで、地域完結型の医療の提供を目指します。北部の基幹病院として、地域包括ケアシステムの実現を支えていける新病院になればと思っています。


沖縄県名護市大中2─12─3
☎0980─52─2719(代表)
http://www.hosp.pref.okinawa.jp/hokubu/

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