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良い結果を生む条件は楽しくリハビリできること

良い結果を生む条件は楽しくリハビリできること

一般社団法人巨樹の会 赤羽リハビリテーション病院 杉田 之宏 院長(すぎた・ゆきひろ)
1980年順天堂大学医学部卒業、同脳神経内科入局。
米国立衛生研究所客員研究員、順天堂大学医学部神経内科医局長などを経て
2013年から現職。

 一般社団法人巨樹の会が所属するカマチグループにおいて、東京都内では3番目となる回復期リハビリテーション病院。「その人がその人らしく、生きがいを持って暮らせること」を目標に掲げ、患者目線に立ったリハビリの環境づくりを目指す。

―特徴や強みは。

 当院は脳神経外科、脳神経内科出身のスタッフがやや多いため、神経系障害を患った方に対しての治療を得意としています。

 脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳血管障害にとどまらず、パーキンソン病やギラン・バレー症候群、多発性硬化症など、いずれの神経疾患も薬剤治療だけではなく、リハビリが必要なものばかり。当院でも積極的に取り組んでいます。

 私も脳神経内科出身なので、それぞれの疾患に対する注意点はよく理解しています。医師の指導のもと、セラピストと協力して、症状に沿った個別のプログラムで進めています。

 また、言語聴覚士(ST)の割合が高いことも特徴です。そのため嚥下(えんげ)、言語、高次脳機能障害などの分野にも強く、充実した訓練を提供することができます。

―退院へ向けたサポート体制も充実しています。

 当グループの多くの病院の病棟では、自宅を想定した訓練室を設置。実際の生活能力をしっかりチェックし、日常生活動作(ADL)訓練をしています。これにより退院後の生活がイメージしやすく、実践的なリハビリが可能です。

 また、退院目前には家庭環境のチェックも欠かせません。家の造りなどのハード面だけではなく、介護保険やご家族の状況などのソフト面も確認します。以前はセラピスト、場合によってケアマネジャーが同行していましたが、担当の看護師も同行することで、病棟でのリハビリ看護に生かせるようになりました。

 この地域は高齢者が多いのですが、ここ数年は脳血管障害の若い方の割合が増えている印象があります。職業復帰に直結するよう、ドライビングシミュレーターを導入しました。病院での訓練だけでは実社会での運転がおぼつかない人には、さらに教習所での訓練、チェックを導入し、社会に安全に帰すという取り組みもしています。

―地域におけるリハビリ医療のニーズや課題は。

 一つは、急性期病院に対する〝前方〟の連携です。急性期病院の在院日数が短縮化し、多くの合併症を起こしている患者さんや重症の患者さんが回復期に来ます。以前であれば諦めていたような重症の方でも、リハビリによって回復する場合があり、急性期の先生に驚かれることもあります。どのような患者さんでも、いったんはリハビリでの改善を図ることが地域に対して必要と考えています。

 もう一つは〝後方〟での連携。患者さんを社会に帰していくためには、地域の在宅医療や訪問リハビリ、訪問看護などの人たちともうまく連携をとることが重要です。

 回復期リハビリ病院が要となり、前方・後方の両方の連携をより強化していくことが必要です。

―リハビリ環境において重要視していることは。

 やはり、居心地がいい環境であること。本人がモチベーションを持って楽しく取り組めることが、良い結果につながる条件の一つだと思います。

 そのために、少しでも気持ちに余裕を持っていただける催しを数多く取り入れています。先日はミニコンサートを開きました。患者さん目線、ご家族目線に近い、より良い環境づくりを目指しています。

 234床から240床へ、少数ながら増床の工事が完了したばかりです。わずかな変化ではありますが、少しでも地域医療に貢献できればと考えています。

一般社団法人 巨樹の会 赤羽リハビリテーション病院
東京都北区赤羽西6―37―12
☎03―5993―5777(代表)
http://www.akabane-rh.jp/

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