九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

自由かつ柔軟な着想で地域に愛される存在に

自由かつ柔軟な着想で地域に愛される存在に

特定医療法人 丸山会 丸子中央病院
丸山 和敏 理事長(まるやま・かずとし)

1986年北里大学医学部卒業、1995年信州大学大学院医学研究科卒業。
丸子中央総合病院(現:丸子中央病院)院長などを経て、2003年から現職。
小県医師会会長、社会福祉法人大樹会理事長兼任。

 新築移転から6年、今年は開院60周年の節目にも当たる。高齢化の顕著な地域で地域医療・介護の核を担うだけではなく、従来のイメージの枠に収まらない着想で、地域の中心的存在になっている。丸山和敏理事長に、これまでの取り組みについて聞いた。

—新築移転の経緯を。

 実は、最終的に病院を診療所の規模まで縮小することを視野に入れていましたが、リーマンショック直後に立地条件の良い土地が空いてきました。

 それは以前この地域が製糸業で盛んだったころ、鐘淵紡績の工場があった場所でした。歴史的にもゆかりのあるこの土地が空いたのは偶然のタイミングでした。生まれ育って愛着があるこの地域の人口が減って医療も廃れていいのか。原点に返って考えるきっかけになりました。そして、私たちは住民のための病院にするという理念を改めて打ち出しました。

—具体的な取り組みは。

 人材育成としては、敷地内に職員のための研修センターを設置。
 
 救命講習については医療従事者向けのコースと、一 般向けPUSHコースを開催しています。このPUSHコースは、誰でも参加することができる心肺蘇生の体験会です。突然死を防ぎ地域の救命率を上げる活動として地元の小中学校、警察署、一般企業などで開催しています。

 さらに2017年に小児科を新設し、今年、病児保育センターも設けました。お子さんが突発的に熱を出してしまった場合など一時的にお預かりし、仕事と子育ての両立を支援する仕組みをつくりました。

 医療と介護の保険制度は複雑で、患者さんが理解することは非常に困難です。そのため2019年4月にワンストップで切れ目なくご本人とご家族を支援する「医療と介護の総合相談ステーション」を新設しました。将来的には行政と連携し、この窓口で完結できればと思っています。

 ここには、地域の医療機関との連携窓口となっている地域・グループ連携室、入退院支援室、居宅介護支援センター、医療福祉相談室、訪問看護ステーション、訪問リハビリテーションの6部門を集約しました。在宅であっても安心して医療・介護を受けられる体制を整えることが、これらの問題の解決にもつながるのではないかと考えています。

—コンサートやレストランで地域を活性化。 

 2014年からロビーコンサートを開催しています。徐々に参加人数が増えてきて、多いときには病院のエントランスホールを埋め尽くすぐらいの人たちが訪れるようになりました。レストランでは「日本一食事がおいしい病院を目指そう」と専属シェフを招聘。病院利用者や職員だけでなく、一般の方にも開放しています。さらに県内に展開するスーパーマーケット「ツルヤ」さんとコラボレーションしたメニューを開発。食材本来の味を生かし、結果的にも減塩につながる多彩なレシピを公開しています。

 今年で6回目を迎えた「まるこベルシティまつり」は、すっかり夏の風物詩になっています。1935年ごろから行われていた地元で衰退気味だったお祭りに人を呼び戻し、もう一度この地域を盛り上げようと、当院をメイン会場として地元の自治会、商工会、・福祉施設が一体となって開催しています。今年は約8500人が来場しました。

 最終的にはやはり「丸子が好き」と思ってほしい。首都圏からの交通の便はいいし、自然に恵まれていて観光地も多い。この地域から人がいなくなってしまってはもったいない。住民が安心して生活できるコンパクトシティーを形成するという考え方もあります。病院だけでは実現不可能ですが、関係各所との連携が取れればモデルケースになると思っています。

特定医療法人 丸山会 丸子中央病院
長野県上田市中丸子1771—1
☎0268—42—1111(代表)
https://maruko-hp.jp/

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