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自分らしく生きるリハビリテーションを

自分らしく生きるリハビリテーションを

一般社団法人巨樹の会 江東リハビリテーション病院
病院長(うめきた・のぶたか)

1976年東京大学医学部卒業。同医学部附属病院第二外科、
東京都保健医療公社大久保病院副院長、東京都立墨東病院院長などを経て、
2017年から現職。

 下町の風情が残り、独特の雰囲気が今に残る江東区。カマチグループ都内6番目の医療機関、江東リハビリテーション病院が同地区に開院したのは2017年。梅北信孝病院長に抱負、診療方針を聞いた。

―区東部医療圏の地域特性は。

 墨田、江東、江戸川各区からなり、人口約150万人を対象にしています。

 当院から車で10分弱の距離にある、同医療圏の中核病院である都立墨東病院で外科部長、病院長を務めていたことから、この地区の地域医療連携、医療の実情について理解しているつもりです。

 都全体を見渡せば、医師数は足り、高度医療機関も充実しています。しかし、区東部医療圏に限ると医師数、ベッド数ともに全国平均を下回っており、都が直面している医療資源の偏在という現実の一端が、このエリアに現れています。

 特にリハビリテーションを担う医療機関が不足しており、以前は埼玉県や山梨県の病院に通う地域住民も珍しくありませんでした。こうした医療環境の中で開設した当院は、地域住民からの期待を一身に受け、その期待に応えるべき責務があると感じています。病院長として、身の引き締まる思いです。

 リハビリテーションのニーズは今後、さらに増加します。その理由は高齢化に限りません。医療の進歩により従来ベッドを離れられなかった患者さんが退院できるようになり、需要が漸増します。そのような患者さんに対しては、通常以上に緻密なリハビリテーションの実施、および健康管理が求められます。

 リハビリテーションは、機能訓練の実施だけを意味する言葉ではなく、再び社会生活に戻って自分らしく生きる状態に導くことを目指す、極めて崇高な役割を担った医療です。この役割に忠実でありたいと思っています。

―具体的な取り組みを。

 当病院は、骨折や脳血管疾患などの治療を急性期病院で受け、病状が安定し始めた発症1~2カ月程度経過した患者さんが対象です。完全入院によるリハビリテーションを実施し、早期の社会復帰を目指す〝回復期リハビリテーション病院〟となっています。

 2019年4月から1年間の実績は、在宅復帰率91%、平均在院日数84・5日、顧客満足度87・6%。疾患別内訳は、脳血管疾患47・4%、運動器疾患44・6%。リハビリテーションの質や実績を評価するアウトカム実績指数は43・4で、基準値40を上回っています。

 高い数値を達成できている要因は、リハビリテーション科専門医を中心に理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、薬剤師など各職種スタッフがチームを組んだ、個々の患者さんに適したリハビリテーションの集中的な実施にあります。

 さらに、起床から就寝まで全てリハビリテーションの時間という考えの下、入院中は病棟で行う着替え、食事、トイレなどの日常動作を看護師や看護補助者がサポートし、ADL(日常生活動作)向上に貢献していることも大きな要因です。こうした日々の積み重ねが高い在宅復帰率、顧客満足度となって現れていると思います。

―今後は。

 退院して在宅生活をスタートさせた元患者さんを中心に、訪問リハビリテーションの拡充にも取り組みたいと考えています。

 通所と異なり、実際に生活する場に適したリハビリテーションを行える上に、入院時と同じ病院のスタッフが訪問することで、安心感を与え、リラックスした中で訓練ができるなどのメリットもあります。

 すでに数人のスタッフによる試験的な訪問リハビリテーションを実施し、手応えを感じています。地元のお祭りに参加するなど住民との交流も積極的に行い、地域の一員として連帯感を深める努力も日々、惜しまず行っていきます。

一般社団法人巨樹の会 江東リハビリテーション病院
東京都江東区北砂2―15―15
☎︎03―6880―1555(代表)
https://www.koto-reha.com/

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