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臨床を第一に患者の信頼に応える

臨床を第一に患者の信頼に応える

群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学
茂木 精一郎 教授(もてぎ・せいいちろう)

1999年群馬大学医学部卒業、2004年同大学大学院医学系研究科博士課程卒業。
同大学医学部附属病院、東京大学医学部附属病院、
米国立衛生研究所客員研究員、日本学術振興会海外特別研究員などを経て、
2020年から現職。

 県で唯一の医学教育の場としての医師育成や臨床など、教室には地域全体の医療を支える責務が課せられている。2020年10月、教授に就任した茂木精一郎氏に、抱負と今後の展望について聞いた。

臨床を中心に積極的に研究を実施

 「人の役に立つ仕事がしたい」という思いから、医師を志したという茂木氏。入局以来、多数の研究成果を挙げ、国内外で受賞歴があるが、基本は臨床だと断言する。臨床を重視して、臨床から学ぶ。これは、前任の石川治氏が築いた伝統でもある。

 「さまざまな重症疾患の患者さんが集まってくるので、それに見合う高いレベルの診療ができるように努力しています。内訳は、全身性強皮症や皮膚筋炎などの膠原病、薬疹、全身の水疱症といった内科的な疾患と、悪性腫瘍などの外科的な疾患が半々で、いずれも生死に関わります。これほど多くの重症疾患を診る病院は少ないと思いますし、群馬大学の皮膚科といえば臨床だという評価をいただいていると思います」

 基礎研究だけでなく、臨床研究が盛んなことが特徴の一つ。「診療で抱いた疑問や改善したい点を中心に研究をしています。内科的な疾患では、強皮症に伴う血管障害(レイノー現象)に対する新たな治療法であるボツリヌス毒素治療について保険適用拡大の申請をしたいと考え、医師主導治験を行っています。第Ⅱ相試験が終了して論文にまとめている段階で、多施設共同研究を実施して、適応拡大を目指します」

 そのほか、他診療科との共同研究や、医工連携なども積極的に進めている。

ワークライフの変化に柔軟に対応

 皮膚科には女性医師が多いため、キャリア形成をいかにサポートするかも鍵となる。群馬大学医学部附属病院では、医師ワークライフ支援プログラムを実施し、出産や介護などで現場を離れた臨床医の再教育支援などを行っている。

 「妊娠・・育児などで仕事を一時中断したり、少なくしたりせざるを得ない女性医師もいます。臨床医として長く続けてもらうには配慮やサポートが必要で、医局員の意識と環境を整えていきたいと考えています。具体的には、学内のプログラムを利用しながら、病棟だけ、外来だけという働き方をしたり、県内の関連病院で女性が働きやすい所を見つけたりと、個々の事情や希望に合わせて進めています。実際に、お子さんの成長を機に大学病院の病棟や外来の第一線に復帰し、活躍されている女性医師もいます」

 学会では、若手医師への啓発や研修医を増やすプロジェクトを行う立場も。

 「皮膚科は診療領域が広いため、長い医師生活の中でもさまざまな分野にシフトしやすく、長く働きやすいと思います。疾患が見えるため情報共有がしやすく、治癒した際に患者さんと一緒に達成感を得られるのも大きな特徴ですね」

人の役に立つために何ができるか

 多岐にわたる疾患に対応できる若手医師を育てることは、大学の使命。茂木氏は、最新の技術や知識を身に付けて診療するだけでなく、自分の家族に接するように優しく親切であるようにと指導する。患者をサポートするために乾癬と強皮症の患者会運営、講演などの啓発活動も行い、今後は教育現場での講演や授業を実現できないかと意欲的だ。

 「自分の専門だけでなく、全てを把握してマネジメントする立場になり、責任の重さを感じています。今後も、臨床を重視して運営をしていきたいですね」

 温和な表情で語る姿に、伝統を新しい世代に引き継ぐ決意が見えた。

群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学
前橋市昭和町3ー39ー22 ☎027ー220ー7111(代表)
https://dermatol-h.dept.med.gunma-u.ac.jp/

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