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臨床の力を高めるため「当たり前」をきちんと

臨床の力を高めるため「当たり前」をきちんと
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兵庫医科大学 ・腎透析内科学講座
石原 正治 主任教授(いしはら・まさはる)

1986年広島大学医学部卒業。
広島市民病院循環器科部長、国立循環器病研究センター心臓血管内科部長などを経て、
2014年から兵庫医科大学内科学講座冠疾患科主任教授、2020年から現職。

 講座の再編に伴い、2019年から新たな枠組みとなった兵庫医科大学循環器・腎透析内科学講座。講座の特徴や最近の取り組みについて、石原正治主任教授に聞いた。

―講座の特徴は。

 2019年の講座の再編で、講座名は「内科学 循環器内科・冠疾患科」から「・腎透析内科学」に変わりました。私の専門領域は心筋梗塞を中心とした循環器疾患。腎透析内科は倉賀野隆裕教授にお任せしています。

 循環器内科ではまず、本学の大学病院全体として急性期医療に力を入れています。2013年に救命救急センター、手術センター、集中治療センター、IVR(血管内手術)センターなどを集約した「急性医療総合センター」を新設しました。このセンターで循環器内科は、心臓内科系の集中治療室であるCCU(冠疾患集中治療室)での治療を年間500例余り受け入れています。血管内治療、不整脈、心不全、心エコー、心臓リハビリなどの専門性の高いグループが連携しながら、バランスの取れた診療を提供。心臓血管外科とも密に連携して臨んでいます。

 阪神地区の中核医療機関として、地域の開業医らとの協力を重視しています。循環器についての相談があれば、いつでもすぐにコンタクトできる体制を整え、その仕組みの一つとして、夜間も当院の当直医と直通電話がつながるシステムを設けています。合同の勉強会も主催し、最新の情報の共有や顔の見える関係づくりに努めています。

―新たな動きについて。

 2016年に経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)を導入しました。高齢のため体力的に開胸手術が受けられなかった大動脈弁狭窄症の患者さんの根治を目指します。現在は、年間約30例。加齢による動脈硬化で大動脈弁狭窄症を患う人が増える中、TAVIの有用性は一層高まるでしょう。

 TAVIは心臓血管外科、リハビリなどとのチーム医療で当たることが欠かせません。特に心エコーは、術前・術後の検査や術中のモニタリングで、とても重要な役割を担います。当教室には、日本超音波医学会指導医の医師がいます。TAVIは、幅広い分野の専門医がそろい、日ごろから連携が取れている私たちの体制が生きる治療でしょう。

 研究では、周術期の循環障害予防に関するエボケーション研究が佳境を迎えているところ。心不全の領域では、肺高血圧症の新たな治療に関するグローバル試験に参加しています。

―教室の運営方針は。

 何よりまず、当たり前のことをきちんとできる臨床を目指しています。正確な診断をして、標準的な治療を正しく、丁寧に行う。それらを、どんな症例でも100%できるようにする。大学での研究や教育は、そうした力を養うためのものでなければ意味がありません。

 「うちの病院はこんな新しいこと、難しいことをしている」といった目を引く要素ももちろん必要ですが、その大前提として当たり前のことを常に当たり前にできる臨床力が欠かせません。地味で地道な積み重ねが要るでしょう。私自身も毎朝、CCU病棟を巡回して患者さんの状況を必ず1人ずつ確かめ、担当者から治療方針などを説明してもらいます。

 教育も丁寧で正確でなければなりません。当教室の後進への指導は、忙しい中でも非常にきめ細かくて熱心。着任してから驚いたことの一つです。大学として、そうした気風が根付いているのだと思います。

 そして、患者一人ひとりの治療に「決着」が付くまで責任を持って臨む。診療科が細分化し、分業化が進む時代ですが、自分が関わった患者さんに最後まで責任を持つことは、本来は「当たり前のこと」です。それぞれの医師が「患者のための臨床力アップ」の意識を持ちつつ、目の前のことを丁寧に積み重ねていく集団でありたいと思います。

兵庫医科大学 ・腎透析内科学講座
兵庫県西宮市武庫川町1―1
☎0798―45―6111(代表)
https://www.hyo-med.ac.jp/department/crdv/

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