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臨床から学ぶ視点大切に

臨床から学ぶ視点大切に

 環境免疫病態皮膚科学教室
山口 由衣 主任教授(やまぐち・ゆきえ)
2000 年浜松医科大学医学部卒業。米ピッツバーグ大学留学、
横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学教室
准教授などを経て、2021 年から現職。

◎ダイナミックで奥深い皮膚科の魅力

 歴史ある教室を任されたことと、これからの皮膚科専門医の育成と皮膚科学の発展に直結する責任ある立場となったことに、大きな重責を感じつつ、ワクワクもしています。

 皮膚科学はとてもダイナミックで奥深い学問です。主に「視診」「触診」で診断し、病理でその診断を確実にして病態のヒントを探ります。皮膚は日常的に外界と接し、人体防御、免疫反応の中心です。皮膚からの研究のアプローチは、数々の疾患の病態解明、新規治療法の開発につながっています。

 新生児から高齢者まで、また外科的領域から内科的領域まで、皮膚科医の守備範囲は多領域に及びます。そして、皮膚科医は皮膚という目に見える疾患に悩む患者の心に寄り添う力も重要です。与えられた20年という時間の中で、さまざまな短期・長期的目標がありますが、本質的思考を持った臨床力の高い専門医の育成、神奈川県内を中心とした機能別病診・病病連携、グローバルな視野での研究の発展に尽力します。


◎若手の基礎力向上図る

 当教室は難治性免疫疾患、アレルギー疾患、悪性腫瘍の三つを診療・研究の中心に位置付けています。・アレルギー疾患では、特に膠原(こうげん)病(全身性強皮症、皮膚筋炎、全身性エリテマトーデス、血管炎)や乾癬(かんせん)、専門性の高い重症薬疹の診療・研究に特に力を入れています。

 さらに重要なのが悪性腫瘍領域で、悪性黒色腫や乳房外パジェット病を中心に数多くの手術療法、免疫チェックポイント阻害薬などを用いた薬剤療法、放射線療法などの高度集学的医療を提供しています。

 現代の皮膚科医に求められるのは、総合的な皮膚科医としてのスキル向上と、サブスペシャリティにおけるエキスパートの育成です。90人弱の教室員を当大学と関連病院に配置していますが、定期的な症例検討会だけでなく、サブスペシャリティ領域別の勉強会を立ち上げ、若手医師の基礎力向上と、指導医のさらなる発展と指導力向上を目指しています。

 当教室の強みは、単一疾患のみならず、比較的幅広い分野でそれぞれのエキスパートが育ちつつあり、教育環境として恵まれていることだと思います。

 今後は、難治性自己免疫疾患などにおける診療・研究の学内連携をさらに積極的に進めていきたいと思っています。難治性免疫疾患は早期診断、早期加療、進展予防が予後の改善に重要と考えられており、診療、研究の面でも、診療科連携の形式をより良くすることでさらなる発展が見込めると考えています。


◎個々が輝ける教室に

 医師の働き方改革は重要で、力をつけるために頑張るべき時期はありますが、長い医師人生、継続をさせていくことが大切です。全国的に皮膚科は女性医師が多く、出産・育児などによるキャリア中断は大きな問題で、復帰しやすい環境づくりは喫緊の課題です。

 当教室は子どものいる女性の常勤医師も多く、非常勤、時短常勤勤務、当直のない病院勤務など段階的に常勤復帰できるよう個々の状態に応じた働き方ができるようにしています。

 近年は県内の病院でも院内保育の充実、時短勤務やワークシェアの容認などの対応が進み、男性医師の育休取得や育児のための時短勤務も行われています。仕事に性別は関係なく、それぞれの家庭環境はさまざま。個々のキャリアプランを具体化し、継続していく意思を強く持って早めに復帰することが大切だと伝えています。

 教室を率いる上で、個々が輝き、団結できる組織が発展につながるのではないかと考えています。私の目標は「より深く考える力を育てたい」「患者さんに寄り添い、想像力豊かな医療人を育てたい」「パッションを持ち、医師としての人生を豊かにできるような環境にしたい」です。教室員には、お互い助け合いながら日常の臨床から楽しく学ぶ視点を大切に、自分なりのアンテナを立ててさまざまなことに挑戦してほしいと思っています。


 環境免疫病態皮膚科学教室
横浜市金沢区福浦3-9 ☎045-787-2800(代表)
https://www.yokohama-dermatology.org/

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