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腎移植手術を安全・確実に

腎移植手術を安全・確実に

自治医科大学 腎泌尿器外科学講座 腎臓外科学部門
教授(いわみ・だいき)

2000年北海道大学医学部卒業。
米メリーランド大学留学、北海道大学大学院医学研究院腎泌尿器外科学助教、
同大学病院泌尿器科講師などを経て、2020年から現職。

 腎移植において国内で高い実績を誇り、地域医療に大きく貢献している自治医科大学腎泌尿器外科学講座腎臓外科学部門。2020年に就任した岩見大基教授は、最先端の腎移植の提供と、予防啓発に取り組みたいと語る。

新天地で腎移植に挑む

 2020年4月、故郷の北海道を離れ、栃木県にある自治医科大学腎泌尿器外科学講座腎臓外科学部門の教授に就任した。これまで縁のなかった場所での新たな挑戦となる。

 「どの大学、どの病院であっても『良い医療を提供したい』という思いは同じです。当講座は腎移植を年間30件以上行っており、地域での腎移植において一定の評価を得ています。ただ、就任と同時に新型コロナウイルス感染症の影響で、免疫抑制剤を使用する腎移植を進めることができませんでした。PCR検査の体制が早く整い、腎移植によるメリットのほうが大きいと判断し、ゴールデンウイーク後には再開することができました」

 岩見氏は現在45歳。この若さを強みに、講座をけん引したいと意気込む。

 「新しいものを吸収し続ける気持ちを、持ち続けたいと思っています。これまでの自分の経験と、この講座の実績を合わせて、常に最高レベルの腎移植医療を提供できるように取り組んでいくつもりです」

立ち止まって考える

 腎移植、腎不全に対する内シャント手術、腹膜透析手術などにも対応。その評判を聞いて県内外から多くの患者が訪れる。しかしまだ、「伸びしろがある」と感じている面もある。「まずは研究。腎移植の場合、いかに腎臓が長く生着するか、拒絶反応を起こさないかが重要です。例えば、免疫抑制剤の一部には長期の使用により腎臓を痛めてしまうタイプのものがあるので、それをなるべく回避できるような研究に取り組みたい。何か新しい成果を出して、日本のみならず世界の腎移植医療に貢献したいですね」

 教育面では、若手の医師に対して、常に根拠を持って物事を決めていくことの大切さを教えたいと語る。

 「今やっていることは正しいのか、世界のスタンダードから逸脱していないか。もしくはそれらを踏まえた上で、新しいものを見いだすための一歩になっているのかを見直すことが大切です。このことを実践できれば、医療のクオリティーそのものが向上し、医師としても成長できるでしょう」

 全国から多くの若手医師が集う講座にすることも目標の一つだ。「興味がある人は見学でも研修でも、何でも歓迎します」

大学の使命として地域医療に貢献

 自治医科大学の学生たちには、卒業後に地元の医療機関へ勤務することが求められる。地域医療に貢献する人材を育成することが大学の使命であり、講義を通じて、地方における腎移植の必要性を伝えている。

 「地方で血液透析を受けている患者さんは、場合によっては遠くの病院に週3回も通わなくてはいけません。一方で腎移植をした場合は、自己管理できれば2、3カ月に1回の通院で済みます。腎不全の患者さんがいた際は、透析だけではなく腎移植も選択肢に入れてほしいこと、腎移植は決して特殊な治療ではないことを伝えてほしいと思いながら、講義しています」

 しかし、腎移植を増やすよりも、腎不全にならない健康意識を高める重要性も説く。腎臓内科や糖尿病専門の医師、そして行政とも協力しながら、予防啓発活動を栃木県全体に広めていきたいという。「骨を埋めるつもりで栃木県に来ました。予防啓発は、これまで経験がない新しい仕事になりますが、この地でぜひチャレンジしたい。栃木県の皆さんの健康意識向上に貢献できたらと思っています」


栃木県下野市薬師寺3311ー1 ☎0285ー44ー2111(代表)
https://www.jichi.ac.jp/kidney_s/

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