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脳卒中センターを核に地域包括ケア病院も開院

脳卒中センターを核に地域包括ケア病院も開院

   古瀬 繁 理事長(こせ・しげる)
1976年神戸大学医学部卒業、同脳神経外科入局。同附属病院、兵庫県立姫路循環器病センター医長、
介護老人保健施設エスペランサ施設長などを経て、2011年から現職。

 神戸市北区で脳神経外科を中心とした救急医療に取り組んで35年。地域包括ケア病床に特化した「恒生かのこ病院」も近々オープンさせ、地域完結型の医療・介護を目指す。運営の方針と、事業に込めた思いは。

―地域の救急医療の現状や病院の特長を。

 神戸市第二次救急病院協議会には48病院が参加しており、ここ北区では8病院が輪番制で休日夜間の急病診療に当たっています。当院は脳神経外科と内科で月の半分を担当しながら、脳神経外科に関しては24時間365日受け入れています。

 神戸市消防局の各救急車には病院とつながる医療情報システム「Mefis」が搭載されていますが、数年前から隣接の三田市も参加。昨年は搬送者の約20%が北区へ回ってきており、当院にも今年2月は32人搬送されました。脳神経外科がない丹波市や篠山市からの搬送もたびたびあります。

 2017年度の退院患者は神戸市が48%、三田市を中心とした阪神北が24%、西宮を含む阪神南が13%、丹波が8%でした。2018年の受け入れは1322人で、応需率は85・8%。夜間の応需率が8割にとどまっており、弱点だと認識しています。

 脳卒中センターの脳神経外科医は6人。血管内治療の専門医が指導医を含め2人おり、高度な脳血管手術を年間100件ほど行ってるほか、近隣医療機関などからの相談にも積極的に応じています。各救急車にはドクター直通ホットラインが設置されていますし、昨年11月には「脳外科相談ホットライン」も開始。近隣の16病院にお知らせしており、直通電話でいつでも当院の医師に頼ることができる体制を整えています。

―「恒生かのこ病院」が5月にオープンします。

 55床の地域包括ケア病床のみの病院です。法人内の訪問看護・介護・リハビリや居宅介護支援事業所を移設して同じフロアに集結させ、連携を進めます。

 通所リハビテーションも開設。医療・介護・福祉のサービスを総合的に提供します。さらに在宅療養支援病院強化型の認可を取り、地域の先生方を支援していく予定です。

 介護保険が始まった約20年前、私は介護老人保健施設長を4年間務めました。医療と介護の連携は絶対に必要だと実感し、グループホームや小規模多機能型施設などを開いてきた経緯があります。

 「地域包括ケアを引っ張っていく施設をつくる」のは、念願の一つ。その意思を周囲の先生方や介護関係者に示すためにも、スタッフを充実させ、住民が気軽に集えるコミュニティースペースもつくりました。人件費や建築費など支出は多いですが、長期的な視点に立って、地域に開かれた病院を実現したいと思っています。

―経営に関する考え方は。

 突飛なことはせず、あくまで国や厚生労働省の予測に則して進めていく方針です。審議会や答申に細かく目を通し、将来こうなるだろうと考えながら運営してきました。

 全国に8357(2018年12月末現在)ある病院は2035年に半減するそうです。そこで生き残るにはどうするか。兵庫県では公的病院の合併が進んでいます。近辺では、済生会兵庫県病院と三田市民病院の統合の話がある。500床規模の大病院ができて一次から三次救急まで担当するとなると、われわれの脳卒中センターがどこまで頑張れるかという不安はどうしてもよぎります。しかし35年間頑張ってきた自負がありますし、今後も可能な限り脳卒中でやっていくというポリシーは変わりません。

 それに対する経営的なリスクヘッジが、今後需要が見込まれる在宅医療や地域包括ケアを積極的に進めていくことです。新病院はその中核。結果、地域に貢献し続ける病院として存在意義を高めていくことができれば、きっと明るい将来につながると思っています。


医療法人社団六心会  恒生病院
神戸市北区道場町日下部1788
☎078―950―2622(代表)
http://www.kosei-hp.jp/

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