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能登の地域医療に貢献

能登の地域医療に貢献


院長(やすい・まさひで)

1987年金沢大学医学部卒業。
同附属病院第三内科(現:血液内科・呼吸器内科)講師、金沢市立病院呼吸器内科医長、
国立病院機構七尾病院特命副院長などを経て、2020年から現職。

 能登半島の中央部にある七尾市。美しい海岸線の近くに立地する七尾病院は2020年、前身の「日本医療団松百園」の開設から75周年を迎えた。その節目の年に、安井正英氏は院長に就任した。

チームは一人のために 一人はチームのために

 全国に140以上の病院を有する国立病院機構。各病院の院長の持つべき役割は、全国に拠点を持つ企業の支店長をイメージすると分かりやすい、と安井正英院長は語る。

 「もとが国立病院なので中央省庁との連携が現在も強い、とのイメージを持つ方がいますが、完全に独立した民営組織です。経営もグループ病院が赤字を補ってくれるなどの甘い話はありません。赤字を出せば、私も民間企業の支店長と同様、厳しく査定されて給料に響きます」と笑う。

 機構の強みは病院ネットワーク。「住民一人ひとりの健康と地域の医療向上を目指す仲間として、強い連帯感を持っています。チームは一人のために、一人はチームのために、という言葉があるように、経営や診療に関して協力を惜しみません。頼りになる仲間に恵まれた強みを発揮し、能登の地域医療に力を注ぎます」

間質性肺炎の診療と研究に注目

 結核治療を担う国立診療所としてスタートし、「結核・神経筋疾患・重症心身障害者(児)」を3本柱としてきた同院は、前院長の藤村政樹氏が就任した2012年から始めた慢性咳嗽(がいそう)の診療も、近年は重要な柱になっている。

 「藤村先生は金沢大学呼吸器内科長として活躍された方です。アトピー性咳嗽の発見を含む優れた研究で広く知られ、長引く咳に悩む全国の患者さんが先生を頼って多数、訪れるようになりました。私は金沢大学で先生に師事した直接の弟子。呼吸器内科医として多くのことを教わり、その縁もあって当院に赴任しました」

 安井院長は福井市生まれ。「医学とは縁はない家庭でしたが、いつも仕事に追われていた公務員の父を見て、医者であれば自由業のように働ける、と勘違いしたんですね」と笑う。

 金沢大学医学部へ進学。あらゆる健康上の不安に、幅広く応えられるようにと内科を目指す。そこで藤村前院長と〝運命の出会い〟があり、呼吸器内科医の道を歩み始めた。「呼吸器内科の疾患は多岐にわたります。内科全般に関わることができるのが魅力ではないでしょうか」

 能登地域には現在、呼吸器内科医は、安井院長を含め4人しかいない。あらゆる呼吸器疾患に対応しながらも、安井院長は間質性肺炎の診療および研究に注目してきた。

 「薬剤、カビ、アレルギー、粉じんなどが原因で起こる間質性肺炎の中で、最も知られている疾患が特発性間質性です。特発性とは原因不明と同意。徹底的に追究して、原因ごとの治療法を確立したいと考えています」。能登地域ではカビが原因の間質性肺炎が多いことが分かってきたという。今後の成果が待たれる。


コロナ禍の県内の結核治療を支える

 近年、能登地域に結核の患者はほとんどいなかったのだが、コロナ禍により状況が変わってきた。県内の結核を診療できる病院が新型コロナウイルス感染症の患者に対応するため、各病院の結核の患者が、七尾病院に集約されることになったのだ。

 「結核病棟が満床にならないか心配しています。このまま新型コロナが続けば、この病院が、県内すべての結核患者を支えることになります。もちろん、院内の入院患者さんの中から新型コロナ陽性者が出た場合に備えた準備や検査体制は整えました。しっかり対応していきたいと思います」

独立行政法人国立病院機構 七尾病院
石川県七尾市松百町八部3ー1 ☎️0767ー53ー1890(代表)
https://nanao/hosp.go.jp/

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