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肺がん治療 研究を前進

肺がん治療  研究を前進


主任教授(にほ・せいじ)

1993年広島大学医学部卒業。
国立がんセンター(現:国立がん研究センター)東病院臨床検査部生理検査室医長、
同呼吸器内科病棟医長などを経て、2020年から現職。

 獨協医科大学の呼吸器・アレルギー内科は、これまでに数々の実績を残してきた。5代目の主任教授として就任した仁保誠治氏は、自身の専門である肺がん治療を中心に据え、新たな講座のあり方を描いている。

恩師のもとで多くの経験を積む

 医師を志したのは高校生の頃だという。「母親が医療事務をしていたので、もともと医療は身近な存在に感じていました。加えて、祖父母ががんを患って入院し、お見舞いなどで病院に出入りするうち、医師という職業を意識するようになったと思います」 

 広島大学医学部を卒業後は中国労災病院、北九州総合病院などを経て、1996年に国立がんセンター(現:国立がん研究センター)東病院呼吸器内科にレジデントとして入職。そこでの大江裕一郎氏(現:国立がん研究センター中央病院副院長)との出会いが、医師人生におけるターニングポイントになった。

 「当時、大江先生とペアを組ませていただき、病棟診療を経験できたことは大きかったと思います。また、各レジデントに臨床試験の立案をさせ、臨床試験のノウハウを教えていただくという、貴重な経験も与えていただきました」

 以降24年にわたり、同院でキャリアを重ね、多くの肺がん患者を診てきた。その中で印象的だった出来事が起こる。

 「ある患者さんに免疫チェックポイント阻害剤を使用したところ、劇的に改善したのです。おそらく、この治療法がなければ、その方は亡くなっていたでしょう。元気になった患者さんを見て、医療の進歩を肌で実感しました」

肺がん治療の臨床・研究を強化

 2020年4月、獨協医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科の5代目主任教授に就任した。

 同講座は1973年、アレルギー内科を標榜。その後に、呼吸器が加わり、現在は幅広い領域を対象としている。

 「私は今まで肺がんや悪性腫瘍の専門機関にいましたが、この講座では多くの疾患を診ています。医局員たちの知識の深さには素直に感心しました」と、講座の第一印象を語る。

 歴代の主任教授は、肺がん以外の呼吸器が専門だった。今回、自身が就任したことで、今後は講座として肺がん治療に関する臨床・研究にも注力する。

 「これまでのぜんそく、アレルギー、間質性肺炎などに加えて、肺がんの臨床研究を積極的に進めていくつもりです。特に、多施設との共同研究が重要と考えており、例えば、JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)やTORG(胸部腫瘍臨床研究機構)などの臨床試験グループにも、積極的に参画したいと思っています」

探究心を持った医師を育成

 今後の講座運営には、マンパワーが不可欠だという。現在、医局員がやや減少傾向にあり、人員を確保することは喫緊の課題。初期研修医などに対して、講座をアピールしていきたいと意欲を見せる。

 「医局員とも協力して、呼吸器疾患・アレルギー疾患に興味を持ってもらえるよう取り組んでいくつもりです。胸部レントゲン読影の講義などを通して、魅力を伝えられたらと思っています。医局員は全国から随時募っていますので、興味がある人はいつでも見学に来てほしいですね」

 リサーチマインドを持った医師の育成も欠かせない。「臨床ももちろん大切ですが、医師としてやはり探究心を持ち、研究に興味を持ってほしいと思っています。いずれは、臨床の疑問を解決できるような研究や臨床試験を行い、医療の進歩につながる成果を生み出せたらいいですね」

獨協医科大学医学部 内科学(呼吸器・アレルギー)
栃木県下都賀郡壬生町北小林880 ☎0282ー86ー1111(代表)
https://dept.dokkyomed.ac.jp/dep-m/allergy/

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