九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

職員と共に、病院を盛り上げる

職員と共に、病院を盛り上げる

公益社団法人日本海員掖済会 大阪掖済会病院
村橋 邦康 院長(むらはし・くにやす)
1993年大阪市立大学医学部卒業。和泉市立病院
(現: 和泉市立総合医療センター)外科、大阪掖済会病院外科医長、
同外科部長、同副院長などを経て、2021年から現職。


◎かかりつけ機能と救急

 大阪掖済会病院は、創立108年の歴史のある病院です。2020年4月に公益社団法人に移行したこともあり、地域のより多くの方々を医療の面から支えるための体制整備が、院長である私の仕事だと感じています。

 当院の今後の役割は、大きく分けて二つ。一つ目は「」です。

 当院がある大阪市西区も今後、少子高齢化が進むと予測されています。高齢独居や、老老介護の方も増加するでしょう。

 地域のかかりつけ医として、このような患者さんを一般外来・入院でスムーズに受け入れることが重要です。さらには退院後の生活にまで思いをはせ、支障がないかを考えることも必要で、入院直後から、退院支援室や医療ソーシャルワーカーが関わる体制をとっています。

 二つ目は「2次救急病院」としての役割です。整形外科では手指や四肢の切断を再接着するマイクロサージャリー、消化器内科・外科では、消化器疾患への緊急内視鏡処置や手術を、それぞれ24時間体制で実施し、地域からの期待も大きいと感じています。

 地域連携室の努力により、病診連携、病病連携も強化されてきました。整形外科、消化器外科の手術件数を、新型コロナウイルス感染症の流行期前と現在で比較すると、コロナ禍の受診控えが言われる時期にもかかわらず、いずれも増加しています。

 地域医療構想では、これまで急性期医療を担ってきた多くの中小病院が、回復期を中心とする医療への転換を余儀なくされるかもしれません。しかし、当院は今後も、急性期病院であり続けられるよう努力をしていくつもりです。


◎コロナをきっかけに

 新型コロナ流行初期、当院はコロナ患者を受け入れていませんでした。病院と同じ建物内に介護老人保健施設を併設していることもあり、感染リスクを可能な限り排除した判断をしたのです。

 しかし、地域でのコロナ患者受け入れ病床の不足などを受け、老健施設長とも相談。「少しでも地域の役に立ちたい」と、21年9月末、患者の受け入れを開始しました。

 職員の不安も大きかったと思いますが、説明を重ね、必要性を理解してもらうことで、看護体制などを早急に整えることができました。

 職員が改めて「自分たちは、地域社会のために何を行うべきか」を考え、自覚する機会になったと同時に、当院が地域ですべきことも再認識できたと思っています。


◎職員の自主性を促す

 職員の労働生産性向上と働き方改革にも取り組んでいます。

 例えば、これまで心エコーは生理検査室の臨床検査技師、腹部エコーは放射線科の診療放射線技師が担当していましたが、どちらの技師でもできるよう、自分たちで勉強会を開催し、タスクシェアを開始しています。多職種連携の強化や、仕事のマンネリ化による労働意欲の低下を抑制することにもつながっています。

 医師の働き方改革にも着手しました。当直をほぼ常勤医で担っているため、連続勤務時間制限や勤務間インターバルの問題が大きくのしかかり、調整すべきことも多くありますが、就業規則の見直しなどを進めていく予定です。

 月1回開く所属長会議の運営方法も変更しました。報告中心から提案型に切り替え、各部署から病院を良くするためのアイデアを出してもらう形に。実践できるものを取り入れています。

 オンライン診療を利用した検診システムの構築も開始。予防医学の観点から検診にも力を入れていきたいと考えています。

 トップダウンで決めなければならない場合もありますが、院長の仕事の基本は、方向を定めること。そこから先は職員の自主性を促し、職員と共に、病院を良くするにはどうすればいいかを考え、みんなで病院を盛り上げていく
ことを目指しています。

公益社団法人日本海員掖済会 大阪掖済会病院
大阪市西区本田2-1-10 ☎06-6581-2881(代表)
https://osaka-ekisaikai.jp/

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