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職員が働きやすく発言しやすい環境を

職員が働きやすく発言しやすい環境を


院長(のま・しげたか)

1980年慶應義塾大学医学部卒業。
米ペンシルバニア・プレスビテリアン病院リサーチフェロー、
国立埼玉病院(現:国立病院機構埼玉病院)循環器内科、
栃木県済生会宇都宮病院副院長などを経て、2020年から現職。

 副院長として8年間勤務。院長に就いて、間もなく半年を迎える。温めてきた構想を、着任後、次々と形に。「職員が働きやすい、発言しやすい環境をつくっていきたい」と語る。

月1回土曜休診 働き方を変える

 柱に据えた目標は三つ。一つ目は、病院職員全体の「働き方改革」だ。

 2021年1月から、毎月第2土曜日の外来を完全休診にすることを決めた。すでにウェブサイトなどを通して、患者などにも周知を図っている。

 「世の中で土日休日が定着し、子どもの学校行事などのイベントが土曜に開かれることも増えました。子育て中の人、これから家族を持とうとしている人たちのためにも、土曜に予定が組める環境をつくろうと考えました」

 走りだしは、第2土曜のみだが、徐々に拡大する可能性もある。「まずはできることから。超過勤務時間の短縮については、各部署の業務内容の精査や調整を経て、段階的に進めていけたらと思っています」

 医師の働き方改革についても、今後、検討を重ねていく。「勤務時間短縮は生産性向上の上に成り立ちます。しかし、医学・医療における生産性とは何なのか、拡大できるものなのか。答えは、見えていません。さまざまな意見を聞きながら、できることから実行に移していくつもりです」

人材確保困難時代に特定正職員導入

 二つ目は「雇用制度改革」。職種など一部限定された要素以外は、正職員と同じ待遇を受けることができる「特定正職員」制度の導入を決めた。

 まずは2021年4月入職の受付職員に適用予定。給与体系なども明確化し、対象職種を医師事務作業補助者などにも広げていくと言う。

 導入の背景にあったのは、少子高齢化によって減少する労働可能人口。職員の安定的確保と、職員のスキルアップによる生産性向上を望む病院側と、多彩な働き方の受容と身分の保障を希望する職員側のニーズがマッチすると考えた。

 「事務職員は、病院の受付など、患者さんやご家族に早いタイミングで接し、重要な役割を担っています。そこにどれだけ優秀な人材を集められるかが、病院のその後を決めると考えています」

情報を公開 みんなで決める

 三つ目は「病院の意思決定の過程の明瞭化」。「みんなの意見を聞いて、決めていこうというのが私の方針。合議制で決める制度を拡大したい」と語る。

 そのための情報は、可能なかぎり、職員に公開する。例えば、病院会計。単に貸借対照表などの会計書類を公表するということではなく、会計が分からない職員にも、それぞれの部署で何にどのぐらいの金額を使っているか、分かるようにして示したいと考えている。

 「相手が分かる形に〝翻訳〟して説明すること。どう思うか意見を聞くこと。採決をとること。これらを大事にしています」

 改革は、日常にも及ぶ。会議は事前準備と資料配布を大事にし、会議時間そのものは1時間以内に短縮。準備した資料はデータで共有し、スライドで映し出しながら説明。年間300トン近く排出していた紙ゴミの削減も目指している。

 前院長時代から続く「あいさつ促進運動」も強化。自身も積極的に声をかける。そこにあるのは、「ものを言う、話しかけることからコミュニケーションは始まる。発言しやすい環境をつくっていきたい」という思いだ。

 「時代は変わり、目上の人にものが言えない時代ではなくなりました。『どう思う?』と周囲に声をかけながら、チームで建設的に議論を進め、実行する。そんな組織にしていきたいですね」

社会福祉法人恩賜財団 済生会支部 栃木県済生会 宇都宮病院
宇都宮市竹林町911-1 ☎028-626-5500(代表)
https://www.saimiya.com/

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