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緩和ケア病棟を中軸にして見据えるのはAクラス

緩和ケア病棟を中軸にして見据えるのはAクラス


新潟県加茂市青海町1―9―1 ☎0256ー52ー0701(代表)
http://www.kamo-hospital.kamo.niigata.jp/

 新潟県の県央地域にある県立加茂病院。1970年に竣工した施設の老朽化に伴い、2019年9月に地上6階建ての新病院が完成した。緩和ケア病棟の新設や、高性能の医療機器の導入などにより、これまで以上に魅力ある病院として生まれ変わろうとしている。

◎地域の伝統を意識しつつ優しい空間を演出

 新潟県のほぼ中央に位置し、「北越の小京都」と呼ばれる加茂市。自然と伝統が調和し、穏やかな時間が流れる街の中心部近くに県立加茂病院はある。


 2019年9月に完成した新病院の内部は、地元に古くから伝わる縞(しま)織物や、加茂市が全国一の生産量を誇る桐(きり)たんすの文様などをモチーフとしたデザインがちりばめられている。加えて、各フロアはテーマごとに配色が異なり、明るく優しい空間を演出。「患者さんはもちろん、看護師などのスタッフからも『きれいな病院ですね』と言われます」と秋山修宏院長は笑顔で語る。

◎行政間の調整が難航し建設がいったんストップ

 新病院の完成までには苦労も多かったという。建設計画の初期段階から関わってきた秋山院長は、三つの点を挙げた。

 「新病院の基本計画は2013年11月に策定され、目玉として緩和ケア病棟30床の設置が盛り込まれました。個人的に大変だったのはこの点で、さまざまな準備に多くの時間を費やしましたね」。中でも日本医療機能評価機構の病院機能評価を受審するため、さらなる医療安全、職員の意識向上に取り組んだことは印象に残っているという。

フロアごとに配色が異なる。採血を受け付けるA1フロアのイメージは赤

 二つ目は電子カルテの導入。「前病院は全て手書きで対応していたので、基礎となるマスターづくりや具体的な運用法の考案、そして実際に使いこなすまでには苦労を伴いました。そのおかげで、現在はスムーズな体制が構築されつつあります」

 最後は政治的な話だ。「新病院建設の過程では、県と市との調整がスムーズに進まず、途中でいったんストップした経緯があります。私自身は何もできず、推移を見守るしかない立場だったものの、やはり心配しました。しかし、新病院は無事完成しましたし、建設が中断している間に病院機能評価や電子カルテの取り組みに注力できたので、結果的には良い猶予期間だったと思っています」

◎新病院の完成を機に大きな伸びしろを意識

秋山修宏院長

 加茂市周辺の中核病院、また急性期病棟設置病院として、県立加茂病院の果たす役割は大きい。その一方、人口減少、医師不足などにより、病院運営のかじ取りが年々難しくなっているのも事実だ。秋山院長は現状や将来について、どのように考えているのだろうか。

 「新病院の完成を機に、伸びしろができたと感じています。その一例は高性能の内視鏡やCTなどを導入したことです。以前から当院は消化器系の指導施設として認定されており、それが強みの一つでした。最新の医療機器やシステムを整えたことで、さらに病院としての魅力が増し、ここで研さんを積みたいという若い医師が多く集まることを期待しています」

 緩和ケア病棟の重要性も語る。「現在、加茂市を含む県央地域に緩和ケア病棟を設置している病院はありません。都市部の新潟市や長岡市でもまだ数える程度です。ここに当院の大きな伸びしろがあると思っています。現状はまだ運用を始めて間もなく、入院患者さんは12人ほどですが、将来的には県内全域から多くの患者さんに来ていただきたいですね」

 最後に、秋山院長は好きなプロ野球に例えて今後のイメージを語ってくれた。

 「規模や経営状況などを考えると、今はBクラスのチームかもしれません。しかし、新病院が完成しましたし、スタッフも日々頑張っています。伸びしろを存分に生かし、まずはAクラス入りを目指します」

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