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総合診療医育成に全力を尽くす

総合診療医育成に全力を尽くす


教授(まきいし・てつや)

1997年滋賀医科大学医学部卒業。大阪厚生年金病院(現:JCHO大阪病院)、
大津赤十字病院、済生会滋賀県病院などを経て、2020年から現職。

 総合診療医の育成に力を注ぐ島根大学医学部総合医療学講座。2020年7月、2代目教授に就任した牧石徹也氏に、抱負と講座の方向性を聞いた。

総合診療医育成へ

 島根大学医学部のキャンパスは、出雲大社で有名な出雲市にある。緑豊かな敷地の中に、600床を備える附属病院と、いくつもの教育・研究棟が建ち並び、地域医療を担う医師を輩出している。

 「当講座は2011年、出雲市に隣接する大田市からの寄附によって、寄附講座としてスタートしました。石橋豊・初代教授のもと、発展してきた当講座で、先生の総合医療に対する情熱を引き継ぎながら、若い総合診療医を育てるのが私の使命です。島根県には優れた総合診療医の先生が何人も活躍されています。私はそうした先生方と連携しながら、医師育成の一翼を担いたいと思っています」

〝断らない〟を貫く

 地域住民の総合診療医への期待は大きい。「医療を担ってきた開業医の先生方もご高齢になり、医院を廃業されるなどの要因も加わって、各地域で医師不足が進行しています。すべての専門医を地域でそろえることは困難です。また、高齢者の多くはいくつもの疾患を同時に抱えています。一人で複数の診療科目を担える医師が地域では求められています。その主役が総合診療医です。厚労省が養成に力を入れる理由もここにあります」

 総合診療医の特徴は〝断らないこと〟にある。「総合診療医はどんな場合も、患者さんを断ることはありません。生活、家族、職場など、さまざまな問題や困難を抱えながら、診察室を訪ねてきた患者さんの訴えに必ず耳を傾けます。そのすべてに寄り添いながら、患者さんの病気とともに〝現実の暮らし〟をよく理解した上で、最善と思われる治療方針を立てていきます。この診療姿勢を私たちは〝ジェネラルマインド〟と呼んでいます」

 それはどのようにして身につけられるのか。「困っている人を助ける医師としての原点を忘れないこと。できるだけ多くの教養を身に付け、さまざまな経験を積み、他者の痛みがわかる人間になること。この二つです。近道はありません」

コロナ対策チームのリーダーとして

 牧石教授は奈良県生まれ。中学時代は野球部で白球を追いかけていた。「懸命に練習しても、補欠の3年間でした。そのような立場の人間が、どのような気持ちを抱くか、私は誰よりも知っています。今では良い経験だったと思います」

 医師を目指して滋賀医科大学医学部へ進学。卒業後、同大学内科に入局し、複数の市中病院を渡り歩き総合診療や感染症を学んだ。

 総合医療学は、病院に勤務する総合診療医に必要な〝総合医としてのスペシャリティー〟を身につけることを目的としている。総合診療医の判断が正しくあるためには、これをしっかり学ぶ必要がある。

 感染症に詳しい総合診療医として、教授赴任前の病院では新型コロナ対策チームのリーダーも経験した。

 「院内感染のプレッシャーは想像以上。また、周囲の非好意的な目から家族を守るため、私は1カ月以上病院に寝泊まりを続けるという大変な日々でした。ただ、野球部時代と同様に、これも良い経験だったと、今は感じています」

 今後の講座運営の方向性を次のように語った。「総合診療医の魅力を発信し、一人でも多くの研修医をリクルートすること。優秀な総合診療医を育成し、島根県全体の医療向上を常に念頭においた運営を行っていきたいと思います」

島根大学医学部総合医療学講座
島根県出雲市塩冶町89ー1 ☎0853ー23ー2111(代表)
http://www.shimane-u-gme.jp/

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