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総合的な医療の提供でさらに地域に寄り添う

総合的な医療の提供でさらに地域に寄り添う

 
神奈川県相模原市緑区橋本2—8—18 ☎042─772─4291(代表)
http://www.sagamiharahp.com/

 戦後の混乱の時代から現在まで、地域住民と共に長い歴史を築き上げてきた相模原協同病院は、2020年12月に開院を目指す新病院へと移転する。地域住民との深いつながりを重視した新病院の構想から「本当に在るべき地域医療の姿」が見えてくる。そこで、神奈川県厚生農業協同組合連合会代表理事理事長でもある高野靖悟名誉院長に、新病院について聞いた。

◎耐震性の強化、人口増加に伴い新築移転へ

 相模原協同病院は1945年8月に「無医村地区に医療機関を」という目的で設立され、今日までの74年間、地域住民と共に歩んできた。

「相模原市は農業を営む方が多い地域でもありますので、住民のみなさんから、まさに〝おらが病院〟として親しまれています」

 相模原協同病院は、地域医療支援病院、がん診療連携拠点病院、災害拠点病院などの指定を受けている。南北に長い相模原医療圏の中で、大きな病院は南側に集中。北側に位置する相模原協同病院には、救急医療をはじめ、多くの役割が今後も期待されている。

 「現在の病院施設は、築年数が40年を超えている建物もあり、耐震性の強化が必要です。さらに地域の人口増加や最寄り駅周辺の再開発などの事情もあり、県や市からも移転を強く要望されていました」

 折しも、現在の所在地から数キロ離れた場所に、広大な土地が確保でき、移転新築する運びとなった。

◎救急医療の強化と患者の利便性向上へ

ER型の救命救急センターを設置する予定(救急入口のイメージ)

 新病院では、救急医療機能の強化を目的に、ER型の救命救急センターの設立を目指している。神奈川県では、原則として救命救急センターは二次医療圏内に1施設となっている。しかし、相模原医療圏の広さと人口分布を勘案すると、二つ目の救命救急センターの設立は、地域住民の医療ニーズに合致すると考えられた。

 「建築中の救命救急センターでは、ハード面だけではなく、スタッフの強化も必要となってきます。救急医の確保と、救急医療のエキスパートとなる看護師の育成を、今まさに進めているところです」

 二つ目の特徴は、患者の利便性の確保。現在の病院所在地は、JR橋本駅から徒歩5分という立地だ。一方で、新病院はここから2.6㌔離れたエリアに移転することになる。

 「患者さんの通院の負担を少しでも軽減できるよう、患者用駐車場をおよそ1000台分確保する予定です。また、公共交通機関についても、駅から病院までのバス経路を確保すべく、バス運営会社との交渉を進めています」

◎「寄り添いの医療」を提供していくために

高野 靖悟 名誉院長
(神奈川県厚生連代表理事理事長)

 地域に根差した病院として「寄り添いの医療」を提供していく。そのためには今後、地域における他施設との連携をさらに強化する必要があるという。

 「救命救急センターで受け入れた患者さんは、治療後に回復期病床へ移ります。そしていずれは自宅や施設などへ療養の場が変わりますので、地域包括ケアシステムの構築がより重要になります。相模原市内には地域包括ケア病棟を持つ医療機関が多くありますので、これまで以上に連携を強化し、在宅療養まで継続した医療を提供する体制を整えていきたいと考えています」

 さらに、今後進めたいと考えているのが、統合医療の提供だ。現在、「未病・漢方外来」で、なんとなく調子が悪いという方、検査を受けても異常がない方などに、運動・食事・漢方などの治療を提供している。

 病気のサインを見逃さず、元気で健康に過ごすためのサポートをしていくことで、地域住民の健康寿命延伸を目指した医療の提供が可能になってくる。

 「患者さんの多くは高齢者です。体の不調から始まり、救急医療から介護、さらには緩和医療や看取(みと)りまで、総合的な医療を提供すること。それが、新病院の目指す姿です」


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