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総合病院の強みを生かして透析トラブルをカバーする

総合病院の強みを生かして透析トラブルをカバーする

医療法人ヘブロン会 大宮中央総合病院 四宮 敏彦 理事長・院長 (しのみや・としひこ)
1992年埼玉医科大学医学部卒業。
小川赤十字病院泌尿器科、医療法人博友会友愛日進クリニック副院長などを経て、
2016年大宮中央総合病院副院長・VAセンター長、2019年から現職。

 大宮中央総合病院は、透析の専門外来、入院施設、ⅤAセンターと、あらゆる透析トラブルに対応できる体制を整備。地域の透析医療に欠かせない存在だ。3年前、VAセンター新設時に副院長兼VAセンター長として就任し、現在、理事長・院長を務める四宮敏彦氏に現状と展望を聞く。

―病院の特色について。

 透析トラブル全般をカバーできる総合病院であることが、大きな特徴です。

 当院は2010年に透析センター、2016年にVA(バスキュラーアクセス)センターを開設。外来透析に加え、VAに関する手術やPTA(経皮的血管拡張術)カテーテルの実施、入院の必要な合併症への対処など、トータルな透析医療を行っています。

 透析患者さんは、心臓や消化器、呼吸器などの合併症を併発していることが多く、近年は高齢化も進んでいます。こうした透析患者さんが手術を必要とした場合、外来だとリスクを負うことになる。その点、当院は入院設備が整っており、各診療科で合併症への対応も可能です。また、自治医科大学附属さいたま医療センターの心臓血管外科医が当院で外来診療をしているため、さまざまなVAトラブルにも24時間対応できます。同センターがVA手術を行った後に当院でPTAを引き受けるなど、互いの手術・入院状況を調整しながら診療にあたっています。

 近隣にはVAを扱う医療機関は数多くありますが、ほとんどが外来専門であり、入院施設があっても単科診療。当院のように総合病院で行っているところは、大学病院を除けばほとんどありません。

 そこで当院は、患者さんのさらなるQOL向上のため、2018年に透析療養病棟(42床:稼働率約80%)を設置しました。さまざまな制限がある透析患者さんの「自分らしく生きたい」という思いを支えられる透析医療が、私たちの目指すところです。

―地域との連携について。

 現在、近隣の医療機関から多くの透析患者さんをご紹介いただいています。合併症などのリスクがある患者さんをお預かりしたり、VAトラブルをきちんと改善して元の医療機関にお返ししたりすることも当院の役割でしょう。

 地域連携としては、当院は2次救急病院に指定されており、内科、外科、整形外科、脳神経外科による当直体制で、24時間365日の救急医療に対応しています。また、地域包括ケア病棟では、退院間近な患者さんに対して、地域の介護施設や訪問介護ステーションなどと連携をとりながら、患者さんの帰宅を支援しています。レスパイト入院にも対応していますし、透析患者さんにも似たようなシステムを取り入れています。

―どのような医療を目指しているか。

 透析医療に関しては、VAトラブルを早期発見・早期対処することが重要です。そのためには、院内および地域の医療者を対象に、VAの知識を高めなければなりません。

 将来的には、連携先の医療スタッフも集めて、ともに勉強したりコミュニケーションを深めたりする機会を設けることを考えています。また、私のVA技術を継承してくれる医師を育成することも、VA医療の安定供給に役立つと思っています。

 当院はここ数年で救急スタッフを増やし、できるだけ救急を断らない体制をとってきました。しかし、救急に限らず、満床で断らざるを得ない場合もあります。

 将来的には、さいたま市の各医療機関の患者受け入れ情報を一元化して、消防機関とも共有できるようなシステムが実現できれば、市民が安心して暮らせる地域により近づくのではないでしょうか。そうした地域での円滑な受け入れ体制の整備に貢献していきたいと考えています。

医療法人ヘブロン会 大宮中央総合病院
さいたま市北区東大成町1―227
☎048―663―2501(代表)
http://ocgh.jp/

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