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組織力を高め病院のカラーを打ち出す

組織力を高め病院のカラーを打ち出す


院長(きや・かつぞう)

1975年山口大学医学部卒業。
中国労災病院、広島大学医学部臨床教授、県立広島病院院長などを経て、2019年から現職。
県立広島病院名誉院長兼任。

 脳腫瘍、脳卒中を主な専門領域とする木矢克造氏。2019年3月まで、県立広島病院の院長を4年間務め、その運営に手腕を振るった。医師と患者のより良い関係づくりにも長年、取り組んでいる。4月に日比野病院の新院長就任に当たり、その意気込みを聞いた。

組織力を高めるために

「外来も受け持つ院長という立場ですが、私に課された一番の命題は病院全体のマネジメントだと捉えています」

 初めての民間病院での院長職。公立医療機関であった前職の県立広島病院での院長経験とはまた違う組織運営が求められていると感じている。

 「日比野病院には家庭的な雰囲気があり、スタッフはみんな、真面目で一生懸命だと心底感じます。だからこそ、もっと『統一感を持って何かに向かっていく』という雰囲気があればと感じました」

 病院の〝組織力〟を高める必要性を認識した上で、「気持ちが温かいスタッフの多さは、何よりの強みです」と強調する。

 国は、病院ごとの役割分担を明確にして効率的に医療を提供する「地域医療構想」を推し進める。その構想を踏まえた上で、病院運営においても、木矢院長がやはり重要性を感じるのが「院内の意思統一」だ。

 「この役割を病院全体でしっかりと共有し、そこに向かってスタッフが日々の業務に携わることが、実現への一歩だと思います」

回復期医療と地域救急を基軸に

 広島市中心部の程近くにある日比野病院が果たすべき役割は何か。

 「回復期医療と地域救急です。地域で2次までの救急を担いながら、急性期後のリハビリを住民のそばで受け持つ。このカラーをはっきりさせたい。これまでやってきたことをなんとなく続けていてはいけない時代です」

 脳血管疾患などの急性期治療を終えた患者のリハビリを集中的に行う「回復期リハビリテーション病棟」は、木矢院長が求める〝カラー〟の象徴。専従の医師たちを配置し、短期間で効果の高いリハビリを手掛けている。

 高齢者の回復期医療では、栄養管理にも力を入れる。NST(栄養サポートチーム)によって、医師や看護師、栄養士、リハビリスタッフたちが患者個々の栄養状態をきめ細かくチェックし、食事や注入食を提供する。

 「栄養状態が悪いと、治療の妨げになり、回復が遅れます。適切な栄養管理と専門性の高いリハビリ。その両面で回復を効率的に支えていきます」

患者に寄り添う関係づくり

 県立広島病院に在籍していた2006年、後遺症に悩む脳卒中患者を支援する「脳卒中広島友の会」を設立。患者が社会復帰しやすい環境づくりを目指した。

 患者だけでなく、医師や看護師ら医療サイドも参加する、先進的な試み。最新の医療情報を共有したり、悩みを語ったりする他、リハビリに関する実践的な講座も開いてきた。診察室の外での、建前抜きの関わり合いだ。

 「外来や入院時のやりとりだけでは捉えきれない患者さんの不安をはじめ、秘めていた思いをぶつけてもらうことで、貴重な勉強をさせてもらいました」

〝飾らない人柄〟と周囲は口をそろえる。その自然体な姿勢を、後進にも受け継いでほしいと願う。

 「私もそうでしたが、若い時は医療の知識だけで相手を見て診断しようとしがちです。でも、患者さんに本当に元気になってもらうには、病気を治すだけでなく、悩みや不安もできる限り取り除くことが必要となります。患者一人ひとりに『人として』寄り添える、若い医療者をもっと育てていきたいですね」

医療法人信愛会 日比野病院
広島市安佐南区伴東7―9―2 ☎082―848―2357(代表)
http://www.hibino.or.jp/

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