九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

組織の風通しを良くして新しいことに挑戦

組織の風通しを良くして新しいことに挑戦

鳥取大学医学部感覚運動医学講座 耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野
教授(たけうち・ひろみ)
1981年鳥取大学医学部卒業。鳥取県立中央病院、
英ウェールズ大学文部科学省長期在外研究員、鳥取大学医学部准教授などを経て、
2015年から現職。

 1945年の米子医学専門学校の開設以来、長きにわたって鳥取県の耳鼻咽喉・頭頸部外科の臨床医の育成に貢献してきた鳥取大学。柔軟な姿勢で教室運営を行う竹内裕美教授に、今、取り組んでいること、教育方針、そして、今後を聞いた。

—教室の特徴を。

 鳥取には、医学部がある大学は一つ。耳鼻咽喉科の高度医療を行える病院が限られるため、さまざまな領域のさまざまな疾患を扱う必要があります。どの分野であっても、医療の質を確保したいと尽力してきました。

 学びたいのであれば国内外問わず飛び出して、多くを吸収し、自分を磨いていく。教室のメンバーには医療の技術を上げるための努力を惜しまないでほしいと思います。

 教室運営の方法としても、トップダウンのやり方は今の時代にふさわしくないと私は思います。自分の頭で考えておかしいと思うことがあったら、遠慮せずに意見を述べることができる。教室とは、そのような環境でないといけないと考えています。私自身も若い人になるべく「ノー」と言わず、リラックスした状態でいてほしい。楽しく風通しの良い教室を目指したいと思っています。

—現在の取り組みは。

 音響鼻腔計測検査の普及を進めています。この検査は、鼻の中に放射した音の反射を利用して鼻腔の断面積を測定。鼻腔の開存性を客観的に評価します。短時間かつ非侵襲性の検査なので、3歳くらいから検査が可能です。

 音響鼻腔計測検査はこれまで導入実績が少なく、保険適用となっていませんでした。現在、保険点数が付くような検査にすべく、鳥取大学が中心となって全国の施設でデータを取っているところです。

 現在、教室のスタッフは関連病院を含めて50人以上の規模になっています。人材派遣については、いろいろと見直しを行ってきました。

 大きな手術となると3~4人の医師が必要です。1人だけ派遣しても、できることが限られてきますし、負担も大きく疲弊してしまいます。

 そこで、満遍なく人材を派遣するのではなく、基幹病院に人材を複数人派遣して、各地で必要な手術が実施できる体制にする方針をとるようになっています。

—今後の展望を。

 新しいことにチャレンジし続けることが、何より大事だと考えています。そのために、あらゆることに興味を持ち、アンテナを張り巡らせ、異なる環境の人と出会う。こういったマインドがあれば、研究も自然と進んでいくと思います。

 血液と一緒だと思います。新しいものを取り入れていかないと、流れがよどんで病気になってしまう。そのような意味では、新しい人が一人入ってくるだけでも、教室にとっても非常に良いことです。

 教室内で刺激を与え合いながら高い水準の医療を行うこと。鳥取県内の患者さんがわざわざ大阪や東京に行かなくても済むようにすることは、私たちの責務であると思っています。

 新しい取り組みとしては、けいれん性発声障害の患者さんに行う、チタンブリッジを用いた甲状軟骨形成術2型を導入しました。

 高齢の患者さんは特に遠方の病院に通うといった移動の負担は大きな問題です。実際に、移動できない患者さんもいます。そのような状況を踏まえ、鳥取大学が、新しい治療を積極的に取り入れていくことは、地域の患者さんの負担軽減にもつながると考えています。

 ただ、仕事一辺倒では、どうしても息切れしてしまう。私は「よく遊び、よく学べ」ということを、教室のスタッフに伝えるようにしています。リフレッシュすることは、業務の効率化や働く意欲にもつながるのではないでしょうか。

鳥取大学医学部感覚運動医学講座 耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野
鳥取県米子市西町36―1
☎0859―33―1111(代表)
https://www.med.tottori-u.ac.jp/otolary/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

コメントはこちらから

メニューを閉じる