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細部に気を配り、一つずつ問題解決を

細部に気を配り、一つずつ問題解決を

社会福祉法人恩賜財団大阪府済生会
吹田医療福祉センター 大阪府済生会吹田病院

院長(しま・としひで)
1983年京都府立医科大学医学部卒業、同第三内科(消化器内科)入局。
大阪府済生会吹田病院消化器内科科長、同副院長などを経て、2020年から現職。

 開設75周年を迎えた済生会吹田病院。四半世紀を病院とともに歩んできた島俊英氏が、2020年4月、院長に就任した。職員との信頼関係をベースに一歩を踏み出している。

ダウンサイジングで効率化を目指す

 大阪市に隣接する吹田市は、医療の激戦区。隣駅のJR岸辺駅前に開かれた北大阪健康医療都市(健都)には、国立循環器病研究センターや市立吹田市民病院が新築移転した。

 国の医療費抑制政策もあり、病院の経営状況は厳しさを増している。済生会吹田病院も同様だという。「残念ながらここ3~4年は赤字基調。将来的には病棟を建て替える必要も出てきます。どう黒字転換し、財政基盤を立て直すかが、一番の課題です」

 解決には組織の効率化が不可欠だ。就任と同時期に、病床を500床から440床に減床。さらに、31診療科の科長とそれぞれ話し合い、改善策を共有。業務改革を進めている。

 看護師やメディカルスタッフからのヒアリングも始めた。現場の状況をできる限り細かく把握して、問題があれば一つずつクリアにする。「小さな問題であってもきちんと取り除くこと。それができれば、組織の歯車がうまくかみ合い、回っていくと考えています」と、長年苦楽をともにしてきた職員への信頼は厚い。

 就任の際は、「病院のためになると思えば、部門を越えて仕事をしてほしい」と職員たちに訴えた。従来の手法やマニュアルにとらわれすぎると、仕事の幅を狭めてしまう。「ないほうが良い慣習は捨てて、仕事がスムーズに進む組織風土を目指します」

診療総合力、福祉連携、ICTを強みに

 病院がこれまで培ってきた強みの一つは総合力。「31診療科体制で、求められる医療をトータルにカバーしています」。特に周産期医療は充実しており、大阪府で有数の分娩件数を誇る。消化器、呼吸器疾患の診療件数も多い。

 二つ目は福祉との連携。医療ソーシャルワーカーを中心に、早くから地域の福祉施設や事業所とともに地域包括ケアの充実に注力してきた。「ケアマネジャーとのセミナーは年3回開催。利用者の要望や地域の困りごとなど、同じ目線に立って相互理解を深めています」

 三つ目は、ICT連携。カルテの一部をかかりつけ医と共有するネットワークシステム「さいすいヘルスケアネット」は4年目を迎えた。現在、100人超の開業医が登録。付随するメール機能は診療情報提供書には盛り込めないちょっとした情報を、医師同士でやり取りできる。「課題は、使いやすさの改善。フィードバックを取り入れて検討したいですね」

常日頃から心がけを大切に

 病院の理念は、「やすらぎの医療」。患者にやすらぎを感じてもらえるよう、心のこもった医療を提供することを目指している。

 就任直後の入職式で、入職した職員に語ったのは、マザーテレサの言葉だ。「思考に気を付けなさい、それはいつか言葉になるから」。さらに言葉は行動、行動は習慣になる―と続くが、まずは思考、気持ちを常に意識することが、自身の信念でもあるという。

 人の気持ちをおもんぱかる習慣は、リーダーとしての姿勢にも通じる。リーダーシップ分析によると、自分は「解析型」。旗を掲げて統率するより、状況確認しながら一歩ずつ前進するタイプだと認識する。「性格的におっとりしていて、存在感が大きいとは言えません(笑)。その分、周りをよく観察して、気配りしたい。職員が平等に評価され、それぞれの能力を十分に生かせる。そんな職場にしていきたいですね」

社会福祉法人恩賜財団大阪府済生会 吹田医療福祉センター大阪府済生会吹田病院
大阪府吹田市川園町1-2 ☎️06-6382-1521(代表)
https://www.suita.saiseikai.or.jp/

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