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精神科救急 急性期治療を柱に

精神科救急  急性期治療を柱に

医療法人泯江堂 油山病院
入澤 誠 院長(いりさわ・まこと)

1991年福岡大学医学部卒業。
福岡県立太宰府病院(現:福岡県立精神医療センター太宰府病院)、
福岡大学医学部精神医学教室助手・デイケア医長などを経て、
2002年油山病院入職、2020年から現職。

 精神科救急や急性期治療を柱に病院運営に取り組む油山病院。2020年4月に就任した入澤誠院長は、地域移行をはじめ、変化する精神科医療の現状を見極めつつ、数々の課題に精力的に取り組んでいる。

救急と急性期に対応 退院後を支えるシステムを構築

 2020年8月、北側1階の1病棟60床を、精神科急性期治療病棟に移行。これにより、以前よりある精神科救急病棟55床と併せて、救急と急性期の二つに対応できる病院となった。

 この取り組みを進める根底には、精神科医療に対する国の方向性がある。

 「国の方針では、長期入院を減らし、患者さんが地域で暮らしていけるよう医療体制を整備することが求められています。ベッドを減らすことは必要だと理解できますが、精神科の患者さんの場合は、簡単ではありません」

 そのために、精神科リハビリテーションとして職場への復帰を支えるリワークやデイケア、さらに訪問看護など、急性期治療を終えた患者さんを支えるシステムを構築してきた。

 「この政策が当院にとって、大きな転機になったと思います」

 地域連携をさらに強化するため、就任後から地域の病院やクリニックに足を運んでいる。

 「それぞれの強みを把握することで、連携がスムーズなることが目標です」

変わってきた精神科の疾患 パーソナリティー障害にも対応

 入職して18年。患者の疾患も変わってきたと言う。 「初発の統合失調症の患者さんを見かけなくなりました。これは、患者さんや症状が減ったのではなく、精神科クリニックが増加し、ある程度対応できるようになったことが大きいと思います」

 うつ病も、ソーシャルワーカーや臨床心理士との連携、リワークによって、復職がスムーズになってきている。
 一方で増えてきているのが、認知症だ。

 「認知症の周辺症状である興奮や幻覚などによって日常生活が困難となった患者さんが、一時的に入院するケースが増加しています」

 パーソナリティー障害に対する治療も、新しい取り組みの一つ。パーソナリティー障害については、急性期治療病棟60床のうちの20床を、パーソナリティー障害の患者向けの入院治療専用にしている。

 「社会の中で生活がしづらかった、これらの障害を持つ患者さんたちに対して、経験豊富な医師が治療を行っています」

ずっと患者に寄り添っていく

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で職を失った人、リモートワークで不調を感じている人、実際にまだ患者として来院しているわけではないが、今後、どこまで影響が広がるのかを懸念している。

 「特に心配なのは学生さんです。新入生で友人もできていないのに『リモートでやりましょう』と言っても戸惑うばかりだと思います。今後、その影響を受けた患者さんが増える可能性は、十分あると思います」

 感染拡大に対しては、職員を対象に感染対策の専門家を招いての講演会、感染患者が出た場合を想定した訓練などを実施。すべての入院患者に対してPCR検査・抗原検査も徹底した。「いかに、水際で防ぐか。この二つの検査は、今後も必ず実施していきます」

 ずっと臨床一筋。患者さんに長年寄り添える精神科医でありたいと、それが実現できる地域の精神科病院を選んだ。

 入職以来18年もの間、通い続けている患者もいるという。「先生に診てもらえて良かったです、と言っていただけるよう、そして患者さんの生活がより良く豊かになるように、医師として長く関わっていくことが、私の願いです」

医療法人泯江堂 油山病院
福岡市早良区野芥5ー6ー37 ☎️092ー871ー2261(代表)
https://www.aburayama-hospital.com/

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