九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

第93回日本整形外科学会学術総会 学と術と道

第93回日本整形外科学会学術総会 学と術と道

 歴史ある日本整形外科学会学術総会は93回目の開催となる。テーマは「学と術と道」。会長を務める東京慈恵会医科大学整形外科学講座の丸毛啓史教授に、学会の見どころなどを聞いた。

初の取り組み「医工連携」企画とは

 今回、特に力を入れたのが「医工連携」をテーマにした企画です。当学会としては初めての取り組みです。

 整形外科医は、骨折や外傷の治療、関節手術などに際して多くの種類の道具や医療機器を使います。最近は手術支援ロボットも浸透し始めています。このため手術をスムーズに進めるための機器は必要不可欠です。

 そして「こんなことができる機器があればいいのに…」という発想を持っているのが医師です。

 ただ、そのアイデアを具体化するための情報やノウハウを医師がしっかり持っているのかは疑問です。今回はそのような情報などを講演やシンポジウムで伝えたいというのが狙い。

 企業とタッグを組んで製品化するためには医師側にも情報が必要です。例えばその一つが知的財産についての知識。せっかくアイデアがあっても、法的なノウハウがなかったばかりにアイデアを思いついた医師に経済的利益が還元されないのは大変残念なこと。

 利益が還元され、それが研究費になれば、また次のアイデアを考えるモチベーションにもなると思います。今回は企業が参加する、いわば「お見合いの場」もあります。アイデアを現実化できるような相手を、うまく見つけるきっかけになると期待しています。

新型肺炎が運営の発想を変える?

 運営面でも、新しい取り組みにトライします。ランチョンセミナーというと、開場を待つ長蛇の列が当たり前になっています。

 しかし、今回はセミナー申し込み時に座席を指定できるシステムを導入して「並ばないランチョン」を目指します。参加者の負担軽減になると思います。
 また、新型コロナウイルスによる肺炎の影響が見通せません。「参加したくない」と考える方も当然いるでしょう。

 しかし、参加者が少なくても単位取得の問題があるので、そう簡単に中止にはできません。

 そこで、学会をWEBで配信できる方法がないかを検討中です。職場や自宅で学会に参加できるオンライン学会です。単位取得の方法など課題はありますが、逆にへき地で勤務する医師や子育て中の女性医師などの参加を促すきっかけになるのかもしれません。「会場でも開催し、同時に配信」、「配信のみ」などさまざまなケースを想定して、検討していきたいと考えています。

医師に必要な三つの要素を共有

 「学と術と道」は、東京慈恵会医科大学の第8代阿部正和学長が「医師にとって不可欠な三つの要素」として掲げた言葉です。

 そこには、「どんなに『術』に長けていても、その基礎に『学』がなければ、その『術』は無いに等しい。どんなに深遠な『学』をもってしても、『術』が拙劣であれば、患者さんの信頼は得られない。『学』と『術』が優れていても、医の『道』を心得、かつ実践しなければ、良い臨床家ではない」との臨床医のあるべき姿が述べられています。

今学会を通して医師の原点とも言うべきこのメッセージを皆さんと共有したいと思います。

学会の主なプログラム(予定)

●医工連携特別企画・はじめての方(初心者)向けシンポジウム
5月21日(木)午後4時40分~同6時
黒木 肇氏(経済産業省九州経済産業局地域経済部新産業戦略課)ほか

●整形外科ドクターによる医療機器開発ニーズ発表会 5月23日(土)午後5時~同7時

会期:5月21日(木)~5月24日(日) 
会場:福岡国際会議場、福岡サンパレス、マリンメッセ福岡、福岡国際センター
運営事務局:コングレ joa2020@congre.co.jp 
学会HP: http://www.joa2020.jp/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram has returned invalid data.

コメントはこちらから

メニューを閉じる