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第78回日本医学放射線学会総会 革新的な放射線医学を ―患者に寄り添って―

第78回日本医学放射線学会総会 革新的な放射線医学を ―患者に寄り添って―

 放射線医学に携わる分野の関係者にとって最大のイベントである「日本医学放射線学会総会」が4月、横浜で開かれる。今回は話題のAI(人工知能)を本格的に取り上げ、革新的な放射線医学の明日を切りひらく。第78回日本医学放射線学会総会会長の山下康行・熊本大学教授に聞く。

忘れてはならない「寄り添う姿勢」

 会期は4月11日から4日間。参加者、企画数が多く、プログラムの編成にも時間を要しましたが、準備は順調です。規模の大きな学会ということもあって、会長として大変な重責を感じています。

 学会の専門医の先生方から受講したいとの声を多くいただいています。さらに大学に限らず、開業医の方の参加希望もあって、満席状態となっています。

 今回は、第75回日本放射線技術学会総会学術大会、第117回日本医学物理学会学術大会および国際医用画像総合展(ITEM2019)との合同学会で、「JRC2019」として開催します。

 大会のメーンテーマは「革新的な放射線医学を―患者に寄り添って―」です。近年、関心が高まっているAIを全面的に取り上げつつ、患者さんに寄り添うという最も大切な視点は忘れずにいたいという思いを込めて、このテーマを掲げました。

 近年、大学と機器メーカーの共同研究が活発化し、さまざまな機器が開発されていますし、臨床研究も進んでいます。医学の発展のためには、革新的でなければなりませんし、同時に、「この画像の向こうには、患者さんがいるのだ」ということを意識し続けることが、何より大事なのだと思います。

 今回の学会も、本当に患者さんの役に立つことは何か、という視点を持って、発展を続ける技術や機器について発表を聞き、学ぶことができる場にしたいと思っています。


AIの将来性は、進歩はどうなるのか

 最大の見どころと言いますと、医学に対してAIがどれくらいインパクトがあるかでしょう。

例えば、画像などによる診断の基本である読影をAIに置き換えることで、人手不足となっている放射線診断専門医を補うことができるのではないかと言われています。将来性はどうなのか、AIの利用は進むのか、そして進歩していくのか、10~20年先はどうなるのか―。

 学会の合同特別講演では、「人工知能の進展と医療・ヘルスケアにおける可能性」、また合同シンポジウムでは、「Value-based Imaging:AI時代を見据えて、画像診断の価値を考える」「人工知能(AI)を用いた革新的な放射線医学」を予定。特別企画として、ナショナルデータベースについての講演や、AI実践講座も用意しました。

 日本医学放射線学会総会として、AIを本格的にテーマに盛り込んだのは初めてですので、参加者の方の期待も大きいと思いますし、私も楽しみにしています。


国内外の150社による機器展示にも期待

 学会は4日間にわたり、内容も多彩です。シンポジウム、セミナー、さらには38本に上る教育講演などを用意しました。画像診断(読影)をクイズ形式で出題する予定もあります。いろいろな症例を出して、進行具合や病名などを当ててもらいます。なかなか診断する機会がない疾患も、用意したいと考えています。

 この学会は、若い医療者も多く参加します。研修医セミナーは、診断編の「救急画像診断入門」と治療編の「放射線治療の実際」を用意しました。

 見どころの一つに、機器の展示があります。世界的に医療機器を提供するフィリップス、シーメンス、GE、国内からはキヤノンや日立といった大手メーカーを含め、およそ150社が出展します。最新の機器が圧倒するでしょう。スケールの大きい展示会ですので、期待していただきたいと思います。


総会の主なプログラム
●人工知能の進展と医療・ヘルスケアにおける可能性(合同特別講演)
4月12日(金)午後2時30分~同3時 松尾 豊氏[東京大学大学院]
● Value-based Imaging:AI時代を見据えて、
画像診断の価値を考える(合同シンポジウム1)
4月12日(金)午後3時20分~同5時20分
●人工知能(AI)を用いた革新的な放射線医学(合同シンポジウム2)
4月13日(土)午前9時10分~同11時50分
●腫瘍の「顔」をとらえる
―生物学的不均一性に応じた放射線治療の幕開け―(合同シンポジウム3)
4月13日(土)午後1時10分~同3時10分

会期:4月11日(木)~14日(日) 会場:パシフィコ横浜
事務局:第78回日本医学放射線学会総会実行委員会 jrs78@convention.co.jp
学会HP:http://www2.convention.co.jp/jrs78/

  放射線診断学分野教授
会長 山下  康行 氏(やました・やすゆき)
1981年鹿児島大学医学部卒業、熊本大学医学部放射線科入局。国立熊本病院放射線科、米テキサス大学MDアンダーソンがんセンター、熊本大学医学部放射線医学講座教授などを経て、2003年から現職。

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