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第73回日本産科婦人科学会学術講演会 「地域振興」 「国際交流」「国民への発信」

第73回日本産科婦人科学会学術講演会 「地域振興」 「国際交流」「国民への発信」

 新潟で40年ぶりに開催される「第73回日本産科婦人科学会学術講演会」。学術集会長を務める新潟大学大学院医歯学総合研究科産科婦人科学教室の榎本隆之主任教授は、「若手の発表の場を確保し、成長につなげてほしい」と現地開催とウェブによるハイブリッド開催の実現に、意欲的に取り組んでいる。

学術集会長 榎本 隆之 氏
(新潟大学大学院医歯学総合研究科 産科婦人科学教室 主任教授)

ハイブリッド開催で若手発表の場を

 新型コロナウイルス感染症拡大によってこの1年、多くの学会がウェブ開催を余儀なくされています。ポスター発表は、従来発表者がポスターの傍らに立ち、閲覧者の質問に答えるため事前に十分な準備が必要となり、若手が成長するチャンスになってきました。ウェブ開催では、一般口演やポスター発表時にほとんど質疑応答がなく、若手のトレーニングの機会が奪われていました。ワクチンの接種も始まり、4月になれば感染も少しは収まると予想されているため、感染対策に十分配慮した現地開催も行い、若手が現地で多くの経験を積む機会にしたいと思っています。

 現地開催のもう一つのメリットは、「地域」を直に感じていただくことだと思います。学術講演会のポスタービジュアルである杉玉は、酒の神様においしいお酒ができますようにという気持ちを込めて造り酒屋の軒先につるされています。新潟県は造り酒屋が約90件あり、日本有数の酒どころですので杉玉を選びました。また新潟は、米・野菜・魚も天下一品です。ぜひ新潟にお越しいただき、新潟の味を楽しんでいただければ幸甚です。

産婦人科医を取り巻く課題をテーマに

 今、議論になっているテーマに、生殖医療関連の倫理的問題、HPVワクチンの接種率減少、医師の働き方改革があります。無認可施設による母体血を用いた新型出生前診断(NIPT)検査など倫理的な課題が多いテーマであり、計3時間にわたり議論を行います。日本では子宮頸(けい)がんを年間約1万人が発症し3千人が死亡しているにもかかわらず、2013年6月の厚労省による「ワクチン接種の積極的勧奨の中止」以降、HPVワクチン接種率は1%未満で、他の先進国より著しく低迷しています。日本の課題はどこにあるのか、「在住外国人からみた日本のHPVワクチンの現状と将来の展望」と題して日本で研究を続けている2人の研究者に語っていただきます。

 2024年4月から適用される医師の働き方改革による時間外労働の規制まであと3年と迫っています。年間の時間外労働可能時間に上限が設けられ、分娩(ぶんべん)取り扱い施設ではこれまで以上に常勤医が必要となり、さらなる集約化が必要となります。集約化は産婦人科医のQOL向上につながりますが、地方では可能な集約化はほぼ終わっており、地方の周産期医療の崩壊につながる可能性があります。そこで「産婦人科における働き方改革」をテーマに指導医講習会を開き、働き方改革が産婦人科医療にもたらす影響を議論したいと思っています。

 2021年度から卓越した教育活動を行っている本会会員に「教育奨励賞」が、卓越した健康・医療活動を行ってきた本会会員または本会会員が代表を務める団体に「健康・医療活動賞」が付与されることになりました。本学術講演会では「学術奨励賞」に加え「教育奨励賞」と「健康・医療活動賞」の受賞講演が初めて行われます。

 現在、産婦人科専門医の取得に最短5年、サブスペシャリティーの専門医資格や博士号を獲得するにはさらに年数がかかり、留学をためらう若手医師が増えています。そこで、会長特別企画1「留学のすすめ」として、海外に留学して国内外で活躍されている先生4人に講演をお願いしています。留学に関する重要な情報提供の場になればと期待しています。本学会は欧米だけでなくアジア・オセアニアとの交流を重要視していますが、今回、海外演者の講演は全てビデオによるオンデマンドでのウェブ配信となりました。大変残念ですが、この状況下では致し方のないことと感じています。

学術講演会の主なプログラム(予定)

●倫理委員会企画「生殖周産期倫理についての最近の話題」
4月25日(日)午前8時〜同9時30分
●指導医講習会「産婦人科における働き方改革」
4月25日(日)午前8時〜同10時
●会長特別企画1「留学のすすめ」 4月23日(金)午後4時30分〜同6時
●会長特別企画2「Reiwa Cervical Cancer Initiative RCCI」
4月24日(土)午前9時10分〜同10時10分             ※順不同

会期:4月22日(木)〜25日(日)
会場:朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター、ホテル日航新潟、万代島多目的広場
運営事務局:コングレ メール:jsog2021@congre.co.jp
学会HP:http://www.congre.co.jp/jsog2021/

※情報は3月10日現在のものです。開催について最新の情報は学会HPでご確認ください。

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