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第58回日本網膜硝子体学会総会

第58回日本網膜硝子体学会総会

 12月6日(金)から8日(日)、第58回日本網膜硝子体学会総会が長崎市内で開かれる。今年は日台ジョイントミーティングとなる予定で、その内容も例年に比べ、充実したものとなることが期待される。北岡隆会長に、見どころなどについて聞いた。

招待講演と「盛賞」受賞講演

 「日本網膜硝子体学会総会」は眼科後眼部領域で最大の学会です。開催日は、12月6日(金)から8日(日)の3日間。会場は、長崎市の長崎ブリックホールおよび長崎新聞文化ホール・アストピアで、7年ぶりの地方での開催となります。

 見どころとなるのは、招待講演と「盛賞」受賞講演でしょう。今回の招待講演には、フランスのパリ大学からRamin Tadayoni教授をお招きします。Tadayoni教授は新進気鋭の眼科医で、手術の実績が豊富です。たくさんの論文も執筆されていますので、興味深いお話が聞けるのではないかと思います。

 「盛賞」は、日本網膜硝子体学会の学会賞で、網膜剝離の手術において先駆的な業績を残された盛新之助氏の名前を冠しています。網膜硝子体関連で眼科学の発展に功績のあった医師に贈られるたいへん栄誉ある賞で、受賞講演も大いに期待できるものとなるでしょう。

 今年の受賞者は5月までには決定します。まだどなたになるかはわかりませんが、決まり次第学会ホームーページ上で告知します。また、ポスター発表にも一工夫凝らしました。印刷したポスターの掲示だけではなく、モニターにスライドを映し出す口演形式のデジタルプレゼンテーションを組み合わせる構想です。

 近年、国際化が叫ばれるようになり、ここ数年は英語での学会もしばしば開かれるようになってきています。こうしたことを踏まえ、英語でのセッションも組み込む予定です。


治療困難だった病気も治る時代に

 iPS細胞を用いた臨床研究の対象となった「加齢黄斑変性」など、これまで治療が困難だった病気に対する治療法が開発されつつあります。すでに失明に至った患者さんでさえ救える治療が、可能になってきているのです。

 今回の学会では、最新の情報をキャッチアップできるようなシンポジウムや
セッションを設けます。例えば、硝子体の手術では、今、直径0.4ミリほどの棒状の器具を使っています。この器具の太さは、どんどん細くなり、それによって低侵襲になっているのです。

 また、3Dヘッドアップサージェリーを導入する医療機関も増えています。顕微鏡の鏡筒をのぞかず、映像をモニターに映して、モニターを見ながら手術する方法で、術者の負担が少ない点や教育的な面でもメリットがあります。


長崎ならでは 「過去」にも触れて

 長崎は日本における近代西洋医学発祥の地でシーボルトやポンペ・ファン・メールデルフォールトなどにより、日本の医学・医療発展のための礎が築かれた場所でもあります。シーボルトは、当時としては画期的だった眼球の模型を日本に持ち込むなど、眼科を得意としていました。
 学会期間中は、長崎大学医学部図書館の展示室と長崎150周年ミュージアムを開放し、長崎の医学や西洋式眼科の歴史に触れていただけるようにも考えています。

 最新の情報を得ると同時に、日本そして長崎の医学の歴史を感じていただきたいと思います。過去を振り返り、眼科医学の基本と新しい分野を学ぶことをコンセプトとした学会に、多くの方がお越しくださればと願っています。


総会の概要
会期:12月6日(金)~8日(日)
会場:長崎ブリックホール、長崎新聞文化ホール・アストピア
事務局:JTBコミュニケーションデザイン ミーティング&コンベンション事業部
☎06-4964-8869
学会HP:https://convention.jtbcom.co.jp/58moumaku/

長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 ・視覚科学分野教授
会長  氏(きたおか・たかし)

1983年京都大学医学部卒業、1990年京都大学大学院医学研究科博士課程終了。
静岡県立総合病院、京都大学医学部附属病院助手、
米カリフォルニア大学デービス校留学などを経て、2003年から現職。

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