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第58回日本人工臓器学会大会 人工臓器研究の進歩と臨床展開 ―日本から世界へ発信する人工臓器学―

第58回日本人工臓器学会大会 人工臓器研究の進歩と臨床展開  ―日本から世界へ発信する人工臓器学―

 人工臓器学の発展や人工臓器の臨床応用を目指し、医師や工学者や臨床工学技士らが集う「」が11月12日(木)〜14日(土)、高知市内で開催される。同学会理事長で、第58回大会の会長を務める高知大学医学部外科学講座外科1の花﨑和弘教授に抱負を聞いた。

研究やアイデアを臨床展開につなげる

会長  氏 (高知大学医学部外科学講座外科1教授)

 今回のテーマは、「人工臓器研究の進歩と臨床展開―日本から世界へ発信する人工臓器学―」としました。人工臓器学は日本人が世界をけん引してきた分野の一つです。米国ベイラー医科大学永代教授の能勢之彦先生は、人工心臓の開発に力を尽くされた研究者の一人でしょう。しかし、人工臓器学の分野に日本人が貢献していることは、国内ではあまり知られていません。製品化の最終的な段階で、海外の研究者や企業が中心となって関わるケースが少なくないからかもしれません。

 日本人の研究や、アイデアにはすばらしいものがあります。にもかかわらず、なぜ、世界の中で十分にアピールできないのか。それは、臨床に展開していくためのコーディネート力が弱いからではないかと感じています。

 今学会には、臨床医、基礎研究者、工学者、臨床工学技士、看護師、企業など、さまざまな立場の方が参加します。多職種の方が集まるこの機会に、人工臓器学をより進歩させ、臨床展開するためには何が必要なのかを、皆さんと一緒に論議し、考えを深めたいと考えています。

多職種の異なる視点を生かす

 「多職種連携」をキーワードに企画を考えました。人工臓器の開発や製品化には、医師や工学者、臨床工学技士など、さまざまな職種が関わります。これは人工臓器を運用する臨床現場でも同様です。

 そこで、それぞれの職種の方が、人工臓器開発へのアイデアや提案などを話し合うセッションを設けます。職種が異なれば、視点も異なります。意見交換することで、臨床展開のためのヒントや人・企業のつながりが見つかることを期待しています。

 私は長年、人工膵臓を用いた周術期の血糖管理の研究に取り組み、開発した装置を使う人工膵臓療法は保険適用にもなりました。臨床工学技士や看護師の長年のサポートがあったからこその成果であり、研究を臨床に展開していくためには、多職種を巻き込んでサポートしてもらうことも重要なポイントだと実感しています。

龍馬のように、新時代を

 招請講演は、人工心臓開発のパイオニアとして知られる、梅津光生・早稲田大学理工学術院教授に登壇いただきます。特別講演では、補助人工心臓での治療に長年携わってきた小柳仁・東京女子医科大学名誉教授、人工膵臓研究の先駆者、渥美義仁・永寿総合病院糖尿病臨床研究センター長、補助人工心臓システムの開発を手掛ける本村禎・米国Evaheart,Inc・株式会社EVIジャパンCEOの3人にお願いしました。アイデアをどのように実用化につなげたのか。どのように治療に向き合ってこられたのか。3人の方に、長きにわたる経験を「次世代の方に伝えたいこと」というテーマでお話しいただきます。

 そのほか、特別企画では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で使われている「ECMO(体外式膜型人工肺)」について取り上げます。

 今回の大会ポスターは、朝日を背景に、高知が生んだ幕末の偉人・坂本龍馬の銅像を配しました。龍馬は、鎖国の時代にありながら世界を見据え、新しい時代をつくろうとしました。この大会から人工臓器の新しい時代をつくる人材が生まれ、活躍してくれたらと願っています。

学会大会の主なプログラム(予定)

●招請講演「Another EBM(Engineering based medicine)の45年の経験から次世代会員に伝えたいこと」
11月14日(土)午前10時20分~同11時 梅津 光生氏(早稲田大学)

●特別講演1「本邦の人工臓器研究の軌跡を巡って―今日本の人工臓器研究者は深刻な転換点にある」
11月13日(金)午後1時10分~同2時10分 小柳 仁氏(東京女子医科大学)

●特別講演2「糖尿病内科医からみた人工膵臓の活用法(仮題)」
11月13日(金)午後2時10分〜同3時10分 渥美 義仁氏(永寿総合病院)

会期:11月12日(木)〜14日(土)
会場:高知県立県民文化ホール、三翠園
運営事務局:キョードープラス メール: jsao58@kwcs.jp
学会HP:https://kwcs.jp/jsao58/

※情報は9月10日現在のものです。開催について最新の情報は学会HPでご確認ください。

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