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第49回 日本腎臓学会西部学術大会 臨床とBasic Scienceの融合を目指して

第49回 日本腎臓学会西部学術大会 臨床とBasic Scienceの融合を目指して
高知大学医学部
内分泌代謝・腎臓内科学講座 教授
大会長 寺田 典生 氏
(てらだ・よしお)

 10月18日(金)・19日(土)に「第49回日本腎臓学会西部学術大会」が高知市で開かれる。同県での開催は初。関心が高まる再生医療は、どこまで進んでいるのか。最新の情報を発信する2日間の内容を聞いた。

「Basic Science」の面白さを伝える

 若い世代の研究離れが話題になっている中、腎臓内科だけではなく医学界全体で、基礎医学と臨床を融合した新しい治療法や診断法の開発が注目されています。そこで今回は「臨床とBasic Scienceの融合」を本学会のテーマに掲げ、腎臓内科、小児腎臓領域、泌尿器科における臨床とBasic Scienceの現状をそれぞれ専門の先生にご講演いただき、若い先生にも基礎研究の面白さを感じていただけるものにしたいと考えています。

 もともと西部エリアの活動では若い先生による症例報告を行っていましたので、ぜひこの学会を通して基礎研究も興味深いものであること、そして臨床に結び付く重要なものであることを知っていただければと思います。

注目の再生医療

 招請講演では3人の先生をお招きします。国外からはネフローゼ症候群の病態に重要なポドサイトの再生で、世界でも最先端の研究をされているスチュアートJ・シャンクランド先生(米国ワシントン大学)。

 再生医療は、今後の発展が期待されている医療の一つ。腎臓の分野でどこまで研究が進んでいるのか、皆さん非常に興味があるところではないでしょうか。そこで、京都大学iPS細胞研究所・増殖分化機構研究部門の長船健二先生にご登壇いただき、iPS細胞を用いた腎疾患に対する再生医療についてお話しいただきます。

 そしてもう一つ、「腎病理の標準化」についての招請講演も行います。日本腎臓学会では、国内における腎病理の標準化に向けた活動を展開しています。腎生検は腎臓病の診断に不可欠であり、腎病理診断の質の向上は適切な治療を行う上で非常に重要です。現状について、日本医科大学解析人体病理学の清水章先生にご講演いただく予定です。

シンポジウムで最新の話題に触れる

 当学会で大きなテーマの一つとなっているのがチーム医療です。今や慢性腎臓病(CKD)の患者数は全国で1330万人とも言われ、腎臓内科の専門医だけですべての患者さんに対応するのは難しい。そこで、日本腎不全看護学会、日本栄養士会、日本腎臓病薬物療法学会の協力を得て「腎臓病療養指導士制度」がスタート。現在、腎臓病療養指導士は全国に2000人ほど。今秋、認定試験を終えて新たに有資格者が増える見込みです。今回のシンポジウムに出席いただくことで資格更新の単位も取得できるよう準備しています。腎臓病療養指導士に興味を持たれた方には、ぜひ参加してほしいと思います。

 また、小児腎臓領域の先生にもご参加いただきたいと考え、今大会の副会長を務める高知大学小児科の藤枝幹也先生を座長に、「小児―成人移行期医療」のシンポジウムも開催します。

 その他、大会テーマの「臨床とBasic Scienceの融合」、そして「CKD up date」「AKI(急性腎障害)up date」「DKD(糖尿性腎臓病)up date」など、関心が高いテーマを中心に七つのシンポジウムを予定。11の教育講演、また病理企画として会場に腎生検のプレパラートを用意し、大きなモニターで見ていただける企画もあります。

 どのシンポジウム、講演も非常に魅力的で新たな学びを得られる内容です。ぜひこの機会に高知のおいしい食材、お酒などもご堪能いただきつつ、最新の情報に触れていただけたらと思います。

学会の主なプログラム(予定)

●招請講演 「Podocyte Regeneration に関する演題(仮題)」
10月18日(金)午後1時20分~同2時20分
スチュアートJ・シャンクランド氏[米国ワシントン大学]

●招請講演 「iPS細胞を用いた腎疾患に対する再生医療の開発」
10月19日(土)午前11時~正午
長船 健二氏[京都大学iPS細胞研究所・増殖分化機構研究部門]

●シンポジウム 「臨床とBasic Scienceの融合」
10月19日(土)午後2時~同4時

●病理企画 「腎病理診断における貴重な75の質問」
10月18日(金)午後2時20分~同4時20分

会期:10月18日(金)・19日(土)
会場:高知市文化プラザかるぽーと、ホテル日航高知旭ロイヤル、トップワン四国
運営事務局:日本旅行 コンベンショングループ ☎086-259-5578
学会HP:http://www.convention-w.jp/jsnseibu49/


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