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第49回日本心脈管作動物質学会 「次世代の心血管病研究に向けて」

第49回日本心脈管作動物質学会    「次世代の心血管病研究に向けて」

 2月7日(金)、8日(土)、久留米大学医学部基礎3号館(福岡県久留米市)で、「」が開催される。

 毎回全国から、心血管領域における基礎と臨床の研究者が一堂に集まり、心脈管作動物質に関する最新の研究成果を発表。活発な討論を繰り広げ、交流を深めている。会長を務める久留米大学・福本義弘主任教授のメッセージをお伝えする。

キーワードは〝次世代〟

会長 
心臓・血管内科部門 主任教授)

 「日本心脈管作動物質学会」は、1972年に設立された心臓と脈管系の学会です。第49回となる今回は、2018年3月に完成した久留米大学医学部基礎3号館を会場に、心臓と脈管系に関する基礎研究と臨床研究について取り上げていきます。

 今回のテーマは「次世代の心血管病研究に向けて」。この領域に限らずですが、最近、国内全体において研究論文の発表数が減少してきています。特に若い世代の医師たちに研究への意識をもう一度持ってもらいたいと、このテーマに決めました。

 以前は2年間の研修医が終わったら、そこから研究室に入っていたので、卒業後3年目から研究に従事していました。しかし今は、医師臨床研修制度が変更になり、2018年4月からは新専門医制度も新たに始まっていますので、大学院に入るのは卒業後早くても5年。以前に比べて臨床の期間が長くなり、また働き方改革も推進される中、若手の医師が、基礎研究のための時間をつくるのが難しくなったことも影響しているでしょう。

 そこで今回の学会では、これまでの研究を踏まえて、今後どのように発展させていくのかが見えてくる、そんなシンポジウムにしたいと考えています。

 学会の規模も、会場としても、比較的コンパクト。聞きたいことを、その場で聞くことができ、最新の情報をあれもこれも聞きたいという人には、最適の学会です。

 新しくできた基礎3号館は、1階に150人ほどが収容できるセミナー室があり、ここがメイン会場となります。隣のミーティングルームはポスター会場を予定しています。シンポジウムはメイン会場のみで開催する予定です。この会場にとどまっていただくだけで、心血管疾患に関する最近のトピックスが一通り視聴できます。1年分ではトピックスも限られますので、毎年ご出席いただければ、数年でこの領域をほとんど網羅できるのではないでしょうか。

さまざまな分野からアプローチするシンポジウムを開催

 今回は「腫瘍循環器学」「糖尿病」「大動脈疾患」「血管内皮」の分野のシンポジウムを計画しています。講演者には学会員の中から各分野のエキスパートをお招きします。

 近年、循環器疾患とがんを重複して患う人が増えています。背景には、両疾患とも、生活習慣が影響する病気であることが挙げられます。

 例えば、喫煙は、動脈硬化を進行させ、肺がんや舌がんのリスクも高めます。塩分の過剰摂取は、胃がんや脳出血といった疾患のリスクになります。両疾患の治療成績の向上で、双方の病気をコントロールしながら生活する人も増えているのです。そこで、今回はシンポジウムのテーマの一つに「がんと心脈管学」を盛り込みました。

 糖尿病に関しては、最近、新薬が開発されており、心血管イベントも抑制されていますので、最新のトピックスとして取り上げます。

 さらに、大動脈解離や大動脈瘤(りゅう)といった大動脈疾患もトピックスとして挙げました。時々、解離性大動脈瘤によって突然亡くなったといったニュースが聞かれるように、まだまだ研究と治療において改善の余地がある分野です。

 最後に血管内皮機能は、心血管病の要ですので、本学術集会には必須のトピックスとして挙げました。
 

理事長講演や若手研究奨励賞に期待

 理事長講演では、琉球大学大学院医学研究科薬理学の筒井正人教授に登壇していただきます。高血圧、動脈硬化、高脂血症、糖尿病などの血管内皮障害を伴う病態において、血管内の内皮細胞から中膜に向けて放出される一酸化窒素(NO)の働きについて研究されています。この分野の研究について、最新の情報が聞けるでしょう。

 若手研究奨励賞(YIA)にも注目していただきたいと思います。テーマは心臓、血管、腎臓、代謝、中枢神経など、この領域に関するものなら何でも可能で、最終的には最優秀賞と優秀賞が選ばれます。一般演題として、ポスターセッションも興味深いところです。若い研究者たちが頑張っているところを、ぜひ見ていただきたいと思います。

 「人は血管から老いる」という言葉があります。要するに、血管が年をとると体全体も年をとってしまうということです。

 超高齢社会を迎え、いかに血管を若く保ち、健康寿命を延伸するかが、これからの課題となります。そのためにも、次世代の方々がもっと研究にいそしんでいかれるよう期待するとともに、本学会がその一助となれることを願っております。

学術集会・総会の主なプログラム

●理事長講演
「生体における一酸化窒素合成酵素系の意義」 2月8日(土) 午前11時20分〜午後0時20分

●シンポジウム
「がんから学ぶ心脈管学」 2月7日(金) 午後1時30分〜同3時
「糖代謝関連の最新トピックス」 2月7日(金) 午後5時15分〜同6時45分
「大動脈疾患の最新トピックス」 2月8日(土) 午前9時〜同10時30分
「血管内皮の最新トピックス」 2月8日(土) 午後1時40分〜同3時30分

会期:2月7日(金)・8日(土)
会場:久留米大学医学部キャンパス基礎3号館
学会事務局:久留米大学医学部内科学講座心臓・血管内科部門 ☎0942-31-7562
学会HP:http://www.kyushustage.co.jp/gakkai/test/2020/jscr49/

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