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第46回日本小児眼科学会総会 未熟児網膜症の治療

第46回日本小児眼科学会総会 未熟児網膜症の治療

 「」は「未熟児網膜症の治療」をメインテーマに掲げ、さまざまなプログラムを準備している。会長である近藤寛之氏に、未熟児網膜症の治療法の変遷や学会の見どころ、開催への意気込みについて聞いた。

新たな治療法で新時代へ

 当学会で特定の病気をテーマに掲げることは珍しいのですが、今回は「未熟児網膜症の治療」をメインに据えました。ポスターにも、眼科医が見ればすぐに未熟児網膜症と分かるようなイラストを掲載しています。

 未熟児網膜症は1940年代に米国で発見された病気で、その背景には新生児医療の進歩があります。早産の影響で未完成な網膜が虚血状態になり、血管内皮増殖因子(VEGF)が過剰産生されることで、出血や網膜剝離を引き起こします。日本では1960~70年代に流行期があり、1968年には世界でも初めてとなる「光凝固治療」が国内で行われました。以降、国際的なガイドラインが確立され、2000年代からはレーザー治療が一般的になっています。

 さらに、近年ではVEGFの過剰産生を抑えることで、初期の網膜剝離を治療できる「抗VEGF薬」も登場。2019年11月には抗VEGF薬の一つ「ラニビズマブ」が国内で承認されるという画期的な出来事がありました。今回の学会は、最新の治療指針について情報発信できる良い機会だと考えています。

国内外のプロフェッショナルが登壇

 プログラムの目玉の一つは、米国のユタ大学教授のメアリー・エリザベス・ハートネット氏による招待講演。米国において未熟児網膜症治療の最前線で活躍しており、世界でも指折りの研究者です。新型コロナウイルス感染症の影響により、オンラインでの講演になりますが、未熟児網膜症への理解を深める有意義なものになるでしょう。ラニビズマブを製造・販売しているノバルティス社(本拠地・スイス)によるシンポジウム「未熟児網膜症診療のための国際シンポジウム」も開催します。国立成育医療研究センター視覚科学研究室室長の東範行氏、近畿大学医学部教授の日下俊次氏にもご参加いただく予定で、台湾と中国からも2人の先生を招待して、最新の治療法などについてディスカッションします。

 未熟児網膜症以外の企画では、「ロービジョンと教育」をテーマにしたシンポジウムも用意します。視機能が弱いロービジョンのお子さんの学校生活や進学に関して研究を行っている医師や、実際に学校現場で接している教師らが参加し、議論を深めます。

九州で約20年ぶり、北九州で初開催

 北九州市で日本小児眼科学会が開催されるのは初めてで、九州全体でも約20年ぶりです。今回は現地とオンラインのハイブリッド方式での開催になりますが、会場の北九州国際会議場は非常に広く、十分な距離を保つことができます。感染対策には万全を期しますので、安心してお越しください。オンラインでも知見をアップデートできる貴重な時間になると思いますので、多くの参加をお待ちしています。

 今回の学会は、未熟児網膜症を診療している医師への啓蒙(けいもう)や、レベルアップを主な目的としています。それが最終的には患者さんに還元され、ご家族も含めて「日本で治療を受けられて良かった」と思っていただける方たちを今まで以上に増やしたいですね。

学会総会の主なプログラム(予定)

●招待講演「未熟児網膜症の安全で効果的な治療に向けて(仮題)」
6月5日(土) メアリー・エリザベス・ハートネット(米ユタ大学)
●シンポジウム1 「ロービジョンと教育」 6月4日(金)
●シンポジウム2 「未熟児網膜症研究の進歩」 6月5日(土)     ※敬称略

会期:6月4日(金)~6月6日(日)
会場:北九州国際会議場 運営事務局:コングレ九州支社
メール:japo2021@congre.co.jp
学会HP:http://www.congre.co.jp/japo2021/

※情報は3月10日現在のものです。開催について最新の情報は学会HPでご確認ください。

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