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第40回アルコール医学生物学研究会学術集会 アルコール研究の未来予想図

第40回アルコール医学生物学研究会学術集会 アルコール研究の未来予想図

 2021年1月29日(金)・30日(土)、多分野の専門家が集い、アルコール研究の現状と未来を探る「」が開催される。会長を務める奈良県立医科大学消化器内科学講座の吉治仁志教授に抱負を聞いた。

多分野の視点でアルコール研究を推進

 アルコール医学生物学研究会は1981年、アルコールの代謝機構と各臓器に及ぼす影響の研究に貢献することを目的として発足しました。年1回の学術集会には内科、精神医学、法医学、薬理学など多領域の研究者が、「アルコール」というテーマの下に集まり、最先端の知見について討議を行っています。普段は接しない分野の先生から情報が得られ、非常に有意義な場だと考えています。

 今回の学術集会では、多分野での研究や臨床の成果を把握し、将来に向けた取り組みを模索するために、「アルコール研究の未来予想図」というテーマを掲げました。近年、アルコール研究は新たな方向へと進んでいます。例えば、精神科領域で注目されているのが減酒治療「ハームリダクション」という概念。アルコールに起因する各疾患に対して、最善の治療法は断酒です。しかし、依存症の患者さんにとっては非常にハードルが高い。そこで飲酒量を減らすことから始め、飲酒よる各リスクを低減させるのがハームリダクションの考え方です。これを精神科医だけでなく、内科医なども取り入れられるような未来を視野に入れています。

二つのシンポジウムと基調講演

 学術集会では、二つのシンポジウムを予定しています。まずは「飲酒量低減の臨床での意義」。ハームリダクションの概念を臨床でどのように生かしていくのかが、主な議題です。

 そしてもう一つは「アルコール臓器障害の診断」に関するシンポジウム。患者さん本人から飲酒量を聞き取ることに加え、客観的に診断できるものが多くあれば、よりしっかりとした治療ができます。近年では新たな血清マーカーなどが開発されていますので、これらに関する議論も含まれると思います。

 基調講演では臨床面・研究面それぞれのトップランナーの先生を迎え、「アルコール性臓器障害の現状と課題」をお話いただきます。さらに総括的な意味合いを込めて、本研究会の代表世話人である三重大学大学院医学系研究科消化器内科学教授・竹井謙之先生から「アルコール研究の現状と課題」を講演していただく予定です。いずれも今回のテーマである「アルコール研究の未来予想図」につながる話であり、私も楽しみにしています。

 新型コロナウイルスの影響や、冬場に懸念されるインフルエンザの流行などを考慮して、今回の学術集会は現地開催とウェブ配信のハイブリッド方式にしました。会場ではソーシャルディスタンスをしっかりと保ち、感染予防対策に万全を期し、お越しいただける先生には来ていただく。一方、各都道府県の事情、大学などの事情で来られない先生には、ウェブによる同時配信で参加していただきます。現地とウェブの双方向による討論が可能で、配信料・参加費などは研究会の会員は今回に限りすべて無料となっています。アルコール研究は古くて新しい分野です。これまでの研究成果には、さまざまな領域に展開可能なものが、数多く含まれています。現地・ウェブにかかわらず、多くの皆さんの参加をお待ちしています。

学術集会の主なプログラム(予定)

●基調講演「臨床から見たアルコール性臓器障害における現状と課題」
1月29日(金) 堤 幹宏氏(金沢医科大学)
●特別講演「アルコール研究の現状と課題」 1月30日(土) 竹井 謙之氏(三重大学)
●シンポジウム「外来での減酒治療の早期介入」 1月30日(土) 堀江 義則氏(湘南慶育病院)

会期:2021年1月29日(金)・30日(土) 会場:奈良ホテル および ウェブ配信
運営事務局:クレッシー メール:abstract@jsbra2021.jp
学会HP:http://plaza.umin.ac.jp/jasbra/sub19.html

※情報は10月末日現在のものです。開催について最新の情報は学会HPでご確認ください。

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