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第37回日本皮膚悪性腫瘍学会学術大会 One Teamで拓く皮膚癌(がん)診療の新世界

第37回日本皮膚悪性腫瘍学会学術大会 One Teamで拓く皮膚癌(がん)診療の新世界

 皮膚がんなどの最先端の知見を共有する「」が7月9日・10日、長野県松本市で開催される。会長を務める奥山隆平氏に、テーマや開催方式に込めた思い、見どころについて聞いた。

「One Team」に込めた思い

 皮膚がんはさまざまな種類がありますが、長年にわたって紫外線を浴び続けることが原因となることもあり、高齢化の進行に伴って罹患(りかん)する人は増加傾向にあります。ノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学特別教授の本庶佑氏が開発に携わった免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬など新たな治療薬が登場して、皮膚がんの診療はこの10年間のうちに大幅な進歩を遂げてきました。

 皮膚がんの手術では、がんの種類によって皮膚科の医師だけではなく形成外科、整形外科など多くの診療科が関わります。また、新治療薬で予後が良好になった患者さんがいる一方、副作用が報告されているのも事実で、中には命の危険にさらされるようなケースもあります。例えば副作用として、重症筋無力症が起きれば脳神経内科、大腸炎が生じれば消化器内科など、他診療科の医師と連携する場面も少なくありません。

 医師だけではなく、メディカルスタッフと密接に連携して診療に当たる必要もあります。悪性黒色腫に関しては遺伝子変異に応じた診療の選択も行われており、研究者の方々の貢献も欠かせません。一人の医師や一つの診療科で対応するには限界があり、大きなチームで皮膚がんの診療に臨む必要性の高まりから、テーマに「One Team」という言葉を用いました。

基礎と臨床から二つの特別講演

 多くの参加者の方に聞いていただきたいのは、二つの特別講演です。一つ目の講演はがん研究会がん研究所所長の野田哲生氏が登壇します。がんの遺伝子変異をどう診療に結び付けていくのか、人間の免疫システムがどのようにがんを認識して排除しようとするのか、もしくは排除できないのか、基礎医学の面から非常に深く掘り下げている方です。日本だけでなく世界のがん研究、医療のあるべき姿や、新しい展開の見通しについて語っていただく予定です。

 もう一つは国立がん研究センター東病院病院長の大津敦氏が担当する講演です。大津氏は200を超える医療機関と多くの製薬会社と共同で、患者さんの遺伝子変異に合わせて個人に合った最適な治療薬を届けるプロジェクト「SCRUM-
Japan」を2015年に立ち上げました。その経緯や運営のご苦労をお話しいただく予定です。お2人ともがん全般についてグローバルな視点と熱意を持って研究ならびに診療を進めておられます。皮膚がんを専門にする私たちにとっても大きな刺激になるに違いありません。ここで得た知見は、治療の効果が乏しい時や副作用が出た時の対処法など参加者ご自身の課題解決に役立ててもらえたらと願っています。

夏の松本 現地開催での利点生かす

 新型コロナウイルス感染症の状況がある程度収まっていれば、現地で開催したいと考えています。インターネットで情報を入手することも大切ですが、直に話をしたり、聞いたりして初めて得られるものも多く、登壇者の情熱を感じることもできます。開催時期の松本は気候が良く、リフレッシュにも適しています。

 感染防止対策には十分に配慮しながら、夏の信州で有意義な情報交換ができればと考えています。

主なプログラム(予定)

●特別講演「抗がん剤開発におけるビッグデータの活用と課題」
7月9日(金)午後3時~同4時 大津 敦(国立がん研究センター東病院)
●特別講演「がんの個別化医療の開発と現状」
7月9日(金)午後4時10分~同5時10分 野田 哲生(がん研究会がん研究所)
●シンポジウム「National Clinical Databaseにおけるデータ活用」
7月10日(土)午前8時50分~同10時10分 隈丸 拓(東京大学) ※敬称略

会期:7月9日(金)・10日(土) 会場:ホテルブエナビスタ
運営事務局:公益社団法人日本皮膚科学会内大会運営部運営チーム
メール:jscs37@dermatol.or.jp 学会HP:https://jscs37.jp/

※情報は4月10日現在のものです。開催について最新の情報は学会HPでご確認ください。

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